永井路子さん功績しのぶ 茨城・古河でお別れの会

永井路子さんのお別れの会であいさつする宮部みゆきさん=古河市中央町

1月に97歳で死去した直木賞作家で茨城県古河市名誉市民の永井路子さんのお別れの会が5日、同市中央町の古河文学館で開かれた。親族や同市関係者、親交のあった出版、文壇関係者など約50人が出席し、功績を振り返りながら永井さんをしのんだ。

献花台には「炎環」「北条政子」など代表作を並べ、ほほ笑む永井さんの遺影を掲げた。名誉市民の死去では市葬が行われるが、本人の意向で関係者のみのお別れの会となった。

あいさつに立った針谷力市長は「古河の歴史、文化のまちづくりに多大な尽力をいただいた。発展させていくことが残された者の責務」と述べた。作家の宮部みゆきさん(62)は「高校時代から先生の歴史小説を愛読してきた。作家になってからも作品に励まされることが多く、お礼を申し上げたい」と話した。

妹の石井哀草果さん(77)は「晩年、体調を崩してからは古河に帰りたがっていた。多くの人にしのんでいただける会が開かれ、姉も喜んでいる」と感謝した。

式典後には、一般参加者による献花も行われた。同館では永井さんの生涯を振り返る「追悼特別展」が開催されている。12月24日まで。

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