「1回のデートで1万円前後」パパ活に手を染める理由 お金だけでなく自己肯定感の高まりも 専門家に聞く

テレビ愛知

起訴状によりますと「頂き女子りりちゃん」こと渡邉真衣被告が作成、販売したというのが、いわゆる「パパ活」で男性からお金をだまし取る方法を記したマニュアルでした。パパ活とは主に、10~20歳代の女性が「男性から金銭的な対価を得て、食事やデート、性交などをすること」といわれています。

「パパ活はさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性がある」と専門家は指摘しています。パパ活の背景や実態を専門家に聞きました。

お金も手に入り、自己肯定感も高まる

全国こども福祉センター・荒井和樹理事長:
「幸せそうな家庭や恋人、友人関係に恵まれているなど、そういった方はパパ活をやりません。何かが欠けていると感じてしまった瞬間に、それを埋めるために、お金を得る手段としてパパ活を選んでしまいます」

こう話すのは、孤立・非行など問題を抱える若者たちを支援している、全国こども福祉センターの荒井和樹理事長です。

1回のデートで1万円前後

約7年も男性との関係が続いている人も

荒井さんはパパ活を行う女性はさまざまな事情を抱えているといいます。

荒井理事長:
「ある方は、正規就労が難しい精神疾患を抱えている人で、普通に働くことも難しいと。1回、1万円前後でデートしていると話していました。もう6年・7年くらいずっとそういう男性との関係が続いているようです」

金銭の授受がある性交を伴う場合、男女ともに売春防止法に違反する可能性があります。また女性が18歳以上だと金銭をもらう代わりに性交を持ちかけると、売春の勧誘等の罪に問われる可能性があります。女性が18歳未満の場合は男性が児童買春・児童ポルノ禁止法や条例で処罰対象となり、女性は被害者になります。

未成年は自力で稼ぎ、生計を維持か

また、未成年でパパ活を行う人についても話します。

荒井理事長:
「家庭環境に困難、課題を抱えていて、家出をせざるえない状況ですね。あるいは不登校だったり、学校を退学したり。支援してくれる大人とのつながりが失われた子どもたちが自力で稼ぎ、生計を維持するために売春を行ってしまう」

ただ、パパ活に手を染める理由は、必ずしもお金欲しさだけではないとも指摘します。

荒井理事長:
「他者と比べてコンプレックスを強く抱えて、孤独に陥っています。それを満たすための手段としてパパ活を行うのです。お金が手に入り、自己肯定感も高まります。年上の男性からも支持されます。そういった解決手段としてパパ活に手を染めてしまう女性は多い印象です。どの年代にも共通する出来事かと思います」

愛知県は車で待ち合わせ

愛知県では車で待ち合わせをすることへの抵抗感が薄い

パパ活に地域性はあるのか。愛知県の特徴について聞きました。

荒井理事長:
「愛知県の場合は匿名性が低く、誰が売春をしているとか、身内でそういう人がいたら、すぐに広がってしまったり、ばれてしまったり家族関係が悪化してしまう問題があるかなと」

そこで使われるのが「車」です。

荒井理事長:
「愛知県は車社会ですから。車で迎えに来られないパパは評価が下がる傾向があります。唯一匿名性を確保するための手段になってくるわけですよね。東京や大阪と比べて車で待ち合わせをすることへの抵抗は愛知県は少ないです」

しかし、見知らぬ男性と車に乗り合わせることが身の危険につながることもあります。

全国こども福祉センター・荒井和樹理事長:
「20歳くらいの子で、身体の関係なしでパパ活しようとした子が車持ちの人にホテルに連れてかれて帰れないから仕方なく、(性交渉)してしまうみたいな。

自分がやっていることは悪いことだと。だけど楽して稼げると本人は捉えていて、基本的には本人の意思のもと、パパ活に至っている状況です」

© テレビ愛知株式会社