日本代表で今、「危機的状況」にある5名の選手

いよいよ今月から始まる2026年ワールドカップに向けたアジア予選。森保一監督率いる日本代表は、16日にミャンマー、21日にシリアと対戦する。

その日本代表メンバーが8日に発表されるが、チームとして6連勝を飾っている一方、乗り切れていない選手たちもいる。

今回はその中でも特に厳しい状況に立たされている5名の選手を紹介する。

シュミット・ダニエル

昨年、30歳でワールドカップ初出場を果たしてから1年。

カタールの地では川島永嗣とともに権田修一を支え、大会後の第2期森保体制では3人の中でただ一人メンバー入りを果たした。

しかし6月の代表活動で招集されながら出場なしに終わると、9月も中村航輔の怪我で出場機会を得られたものの実質3番手の評価。そしてついに10月シリーズでは招集外となった。

シント=トロイデンではベンチ外が続き、正GKを務める21歳の鈴木彩艶が日本代表入り。このままでは確実にA代表からフェードアウトするため、状況を変える必要がある。

伊藤敦樹

追加招集された6月シリーズで日本代表デビューを飾り、9月のトルコ戦では左足で見事なミドル弾を叩き込んだ伊藤敦樹。

しかしそうした鮮烈なイメージとは裏腹に、所属の浦和レッズではここのところ低空飛行が続いている。

高いフィジカル能力と決定力を備える一方、ある程度自由にプレーしないと持ち味を発揮できない面があり、代表でも川辺駿と一緒に出場したカナダ戦はその課題がはっきりと出た試合だった。

4日に行われたYBCルヴァンカップ決勝でもノーインパクトのまま61分に交代。高い位置でプレーさせるにしても技術力が足りないため、チームとして使い方の難しい選手になっている。

旗手怜央

昨季セルティックでシーズンMVP級の活躍を見せ、今夏の移籍を目指していた旗手怜央。残念ながら吉報は届かず、グラスゴーでの3シーズン目を迎えることになった。

日本代表は6月に今年初招集。主にインサイドハーフを務めチームの円滑油として機能すると、10月シリーズではチーム事情もあって左サイドに入り持ち味を発揮した。

ただ最近は怪我に悩まされており、9月シリーズの欠場に続き10月シリーズの直後にも右足のハムストリングを負傷。最低でも2ヵ月の離脱見込みだという。

またクラブ・代表ともにプレーに波があり、素晴らしいパスを見せたかと思えば凡ミスといったことが少なくない。日本代表に定着するためには選手として安定性を手にする必要がある。

相馬勇紀

昨年のワールドカップに出場。東京五輪世代では三笘薫と双璧とも言える26歳のウィンガーだ。

今年1月にポルトガル1部のカーザ・ピアへ期限付き移籍(※その後2023-24シーズン終了まで延長)。今季も基本的にスタメンでプレーしているが、日本代表への招集には6月シリーズのみとなっている。

その6月の代表戦でも右サイドバックで起用されるなど、立ち位置は非常に微妙な状況。10月シリーズで三笘が離脱した際も、追加招集されたのは24歳の奥抜侃志だった。

招集回数自体が少ないため評価は難しいが、東京世代が存在感を高める今の日本代表において、本来入ってくるべき立場でありながらの現状という意味では「危機的」と言わざるをえない。

南野拓実

モナコで迎えた2年目のシーズン、開幕から絶好調。日本人としては2006年1月の松井大輔(当時ル・マン)以来となるリーグアン月間MVPに輝いた南野拓実。

その活躍ぶりが認められ10月にワールドカップ後初招集されたが、得意とするトップ下のポジションで決定的な仕事をすることができず、物足りなさが目立つ結果となった。

恩師アドルフ・ヒュッター監督のもと、モナコでもチームが好調を維持する一方で南野はベンチに座る時間が増えてきている。

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2列目は日本代表において一番選手層が厚いポジション。「南野拓実」としての良さは相変わらず持っているものの、結果を出せない彼に居場所があり続けるかどうかは不透明だ。

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