リバプール、ディアスが劇的弾 母国コロンビアで父誘拐のFW

ルートン戦で得点を決めたリバプールのディアス=ルートン(ロイター=共同)

 サッカーのイングランド・プレミアリーグで5日、母国コロンビアで父親が誘拐されたリバプールのFWディアスがルートン戦で劇的な同点ゴールを決めた。事件が起きてからは公式戦2試合を欠場。復帰戦で大仕事を果たすとユニホームをめくり「パパを自由に」と書かれたシャツを見せて解放を求めた。

 両親が誘拐されたとの一報を受け、10月29日のノッティンガム・フォレスト戦と、11月1日のカップ戦のボーンマス戦を欠場した。母は警察に救出されたが、父は戻らないままでクロップ監督からは復帰の時期を一任されていた。

 チームが昇格組の相手に0―1と苦戦する状況で後半38分に投入され、ロスタイムに右クロスを打点の高いヘディングでたたき込み、引き分けに持ち込んだ。

 コロンビア政府は左翼ゲリラ、民族解放軍(ELN)の犯行であることを公表。ディアスは試合後にインスタグラムなどで声明を出し「この絶望と不安は言葉で表せず、父が家に戻るまで苦しみは終わらない。今すぐに解放するよう願う」などと切実に訴えた。(ルートン共同)

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