岡山市水道水 暫定目標値超えなし 有害物質問題で市が検査結果公表

岡山市役所

 岡山市は6日、岡山県吉備中央町の浄水場や周辺ダムから有害な有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出された問題を受け、市内の水道水の検査状況を明らかにした。国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム=ナノは10億分の1)を超えた地点はないものの、高濃度が検出されたダムの放流水が流れ込む宇甘川の取水場系で数値の上昇傾向が確認されたという。

 市議会都市・環境委員会で報告した。市は2020年12月から、市内の浄水池や配水エリア内の主な給水栓の検査を実施しており、宇甘川下流の金川取水場(北区御津金川)系で今年2、8月に数値が上昇したため監視を強化。9月上旬に1リットル当たり37ナノグラムに上昇後は下降傾向という。

 市は低減化策として、矢原浄水場(同御津矢原)の水道水を送り込んで希釈する配管工事を実施中。近くの宇垣浄水場への活性炭導入も検討している。

 一連の問題では県と同町が発生源の特定を進めており、市水道局水質試験所は「県や町の動向を注視し、上流域のリスクがなくなるまで監視の強化を継続して安全な水道水の供給に努める」としている。

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