愛知県岡崎市の営業していない葬儀場で、男性2人の遺体が見つかった問題で、遺体は、いずれも身寄りがなく、碧南市と愛西市が業者に保管を依頼していたことがわかりました。
11月1日、岡崎市六名本町にある葬儀場「やすらぎ葬祭六名店」で、棺に入り一部腐敗している2人の遺体が見つかりました。
当時、建物は無人で、この葬儀場は資金繰りが難しく、現在は営業していませんでした。
その後の関係者への取材で、遺体が誰のものかが徐々にわかってきました。
見つかった遺体のうち1人は、ことし7月に碧南市で亡くなった1人暮らしの60代の男性。
もう1人は、愛西市の高齢者施設で死亡した80代の男性でした。
(愛西市の担当者)
「現在も男性の戸籍を調査して親族を探している」
それぞれの市によりますと、2人とも家族など身よりが確認できなかったため、市は火葬などの意思を確認するため親族を探していました。
その間、三河地方にある葬儀業者に遺体の保管を依頼していたといいます。
保管に期限はありませんが、数か月親族が見つからない場合は、火葬まで市が行い、基本的にはすべて公費で負担することになります。
碧南市と愛西市は、なぜ保管を依頼? 担当者を直撃取材
碧南市と愛西市は、なぜ今回の業者に依頼していたのでしょうか…その理由を担当者はこう話します。
(碧南市の担当者)
「大手の葬儀業者に比べ価格も安く、深夜や土日でもすぐ対応してくれる」
碧南市で昨年度から見つかった、引き取り手のない遺体は約20体あり、市はすべての保管をこの葬儀業者に依頼していました。
また愛西市も、昨年度から約10体を預けていたということです。
今回、愛西市で死亡した80代の男性の場合、生前「身寄りが居ない」と周囲に話していたといいます。
去年、国内で亡くなった人の数は、156万8961人で過去最多に。
遺体の扱いは、解決すべき大きな課題です。