私、アルコール依存症かも…健診で肝疾患をチェックされたら早期診断・早期治療を 専門医に聞く

テレビ愛知

アルコール依存症にならないためにはどうしたら良いのか。アルコール依存症の治療にあたっている大須病院の塚田勝比古医師に話を聞きました。

大須病院 塚田勝比古医師:
「基本的にはだれでもがなりうるという疾患と考えていいんですけど、日本人はどちらかというと少し飲めるというようなタイプが多くて、そういう人の場合にはいろいろな臓器障害を含めて起きやすいといわれている。

体はどんどん悪くなっていっても、お酒が入ってしまうという悪循環が基本的な依存症の流れ。健診などで肝疾患などをチェックされるときには、予備軍と考えたほうがいいと思う」

アルコール依存症の増加にはコロナ禍も影響

コロナ禍で医療機関などが制限されたのも大きかった

塚田さんは最近のアルコール依存症の増加には、コロナ禍も影響していると指摘します。

塚田医師:
「この3年間でコロナが非常に大きな変化を起こした。オンラインで仕事をやるようになったとか、家での仕事も結構ある。そうすると誰にも制約されることなく飲酒量がどんどん増えていく。(依存症の相談窓口となる)保健所にしても自助グループにしても医療現場にしても入院の専門医療機関の入院にしても、かなり制限されたので、1つの大きな問題であったのは事実」

女性のアルコール依存症も増加している

生活習慣病のリスクを高める1日当たりのアルコール摂取量は

さらに最近では、女性がアルコール依存症になる例が増えているといいます。

厚生労働省が発表している生活習慣病のリスクを高める1日当たりのアルコール摂取量は、男性が日本酒2合に相当する40グラム、女性はその半分の20グラムです。愛知県、全国ともに過去10年間で生活習慣病のリスクの高い飲み方をしている人の割合で女性が増加傾向にあるのです。

塚田医師:
「僕らが臓器障害を見ていて気になるのは、同じ年代で症状が出ているとすると、明らかに女性が重症化しているというのは間違いないですね。

ジェンダーの違いなのか、取り巻く環境として女性の場合だと逆に孤立化しやすい。男性の場合だと家族が援助するとかがあるが、まだまだこれからだと思うが(女性が重症化しやすい)現象があるのは間違いない」

アルコール依存症の治療は早期診断治療が一番大事

早期の診断、早期の治療を

依存症の治療にあたって、課題もあります。

塚田医師:
「依存症の早期の人は、精神科へ行くとか依存を認めない。否認があることが一番の治療ギャップ。依存症として精神科などで専門治療を受けている人は数%。10%に満たない。愛知県でも全国でも。治療ギャップを埋めていくのが重要なポイント。

(治療で特に大事なことは)早くだったら、飲酒量を減らすことによって人生は変わる。早期の診断、早期治療が一番大事だと思う」

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