昨年11月、中学3年生だった梶谷恭暉（みつき）さん＝当時（14）＝が倉敷市浜町の自宅から行方不明となり、13日で1年がたつ。公開捜査を行う倉敷署には149件（10月31日時点）に上る目撃情報が寄せられているが、発見に至る有力な手がかりはないまま。両親は「元気でいてほしい。早く会いたい」と無事の再会を願っている。14日には家族と同署がJR倉敷駅でチラシを配り、あらためて情報提供を呼びかける。
家族と同署によると、梶谷さんは昨年11月13日午後2時半ごろ、自宅リビングで家族が見たのを最後に行方が分からなくなった。最寄りのJR倉敷駅近くの商業施設で自転車が発見され、同日のうちに三原市の三原駅や三原港にいるのが防犯カメラの映像などから確認されている。翌14日には生口島（尾道市）の路上でスマートフォンや本が見つかった。
家族は仲が良く、家庭内でのトラブルはなかった。中学卒業を控えて進路に悩んでいたというが、姿が消えた理由かどうかははっきりしない。本人からの連絡がない中、非公開で捜索に当たっていた倉敷署は12月15日から公開捜査に切り替え、行方を捜している。
目撃情報は「因島（同市）のフェリーに似た人がいた」など中四国を中心に全国から届いている。ただ、本人と断定できるものや足取りの解明につながるものはなく、当初は月数十件あった提供件数も最近は1、2件にとどまっている。
これまでのところ事件性を疑わせる情報もないという。
この1年、目撃情報があった場所でチラシを配るなど懸命の捜索を続ける両親は「少しでも手がかりがほしい。何でもいいので思い当たることがあれば情報を寄せてほしい」と協力を求めている。
当時の梶谷さんは身長約170センチで黒髪、黒縁メガネ。情報提供は倉敷署（086―426―0110）。
