七尾ナマコ水揚げ最低 解禁初日5キロ

水揚げされたナマコ=七尾市の石崎漁港

  ●例年100~200キロ、猛暑影響か

 七尾湾で6日、能登の冬の味覚であるナマコ漁が解禁され、七尾市の石崎漁港では初日の水揚げ量が過去最低の5キロにとどまった。例年は少なくとも約100キロ水揚げされており、石川県漁協七尾支所は「今夏の猛暑で上昇した海水温が11月になっても下がりきらないため」とみている。

 6日、同漁港では午前5時ごろから、けた引きや底引き網漁船4隻が出漁した。例年は初日で100~200キロの水揚げがあるが、今年は少なめだった昨年の78.5キロも大幅に下回った。

 県漁協七尾支所によると、ナマコは水温13度以下で活発に活動するが、6日の七尾湾は23度と高く、岩陰から出てこなかったとみられる。県水産総合センター(能登町)のデータを見ると、同湾の7~9月の水温は過去5年平均と比べて2~3度高く、今夏の記録的な猛暑が影響した可能性がある。

 同支所の竹内大生(だいき)運営委員長(38)は「少なくなると予想はしていたが、まさかここまでとは」と驚いた様子。この日に水揚げされたナマコは体長15~20センチと例年より大きめで、「全体として生育状況が悪く、小さな個体が網にかからなかったのではないか」と話した。

 ナマコの加工品を販売する大根音松商店(七尾市)の関谷由憲社長(53)は「このままでは年末の注文に対応できなくなる」と危機感を募らせた。漁は来年4月15日までで、竹内運営委員長は「毎年1~3月には多く取れるようになる。冬の嵐が来ることに期待したい」と話した。

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