ういろうは名古屋発祥ではない 名古屋=ういろうを全国に広めた青柳総本家の今と昔に迫る

青柳総本家の絶対的エースでもある青柳ういろう

明治12年に創業した名古屋を代表する老舗和菓子店「青柳総本家」の看板メニューが「青柳ういろう」です。名古屋定番の土産の1つですが、どんな原料から、どのように作られているのか、知らない人も多いのではないでしょうか。今回は、青柳総本家のういろう作りに密着します。

米粉から作るういろう 蒸気で均一な仕上がりに

米粉を勢いよくマシンに投入!

主原料となるのはお米です。製造マシンに米粉を投入します。ほのかにピンク色なのは、さくらのういろうを作っているから。米粉やでんぷんをはじめとする企業秘密の材料を水に混ぜれば、ういろうの生地が出来上がります。

(画像上)熱を加えて粘りを出したもの。違いを比べると一目瞭然!

作業員がマシンのレバーを引くと、蒸気が管をつたってういろうの生地の中に入ります。蒸気の熱で、でんぷんを固めて粘りを出すことで、仕上がりを均一にしているのです。次に液体のまま袋に詰めていきます。

固める前に袋詰め ういろうの意外な作り方

袋詰めのまま固まったういろう

続いて別のマシンに移ります。マシンの中には四角い型がいくつも設けられているのが特徴。液状のういろうを型にはめて袋のまま蒸すことで、きれいな形に仕上げていきます。しっかり固まったういろうが、クレーンゲームのように運ばれてきました。

ぷるぷるのういろうの出来上がり!

蒸す前とは形が変わり、見事な四角形になりました。袋から取り出すと、ぷるぷるとおいしそう! まさか袋に詰めたあとに固めていたとは驚きです。

名古屋発祥ではない!? 新幹線で一躍有名に

室町時代に中国から伝わったういろう

名古屋のお土産といえば、真っ先に思い浮かぶういろうですが、実は名古屋発祥ではありません。室町時代に中国から伝わってきたお菓子で、伝来した場所は福岡や京都など諸説あります。

新幹線開通とともに、名古屋=ういろうが定着

なぜ名古屋=ういろうというイメージが定着したのでしょうか。その理由は「新幹線」です。東海道新幹線の開通と同時に、菓子屋で唯一、青柳総本家だけが車内販売を許可されました。青柳総本家はういろうを名古屋土産として広めたのです。

ずっしり重たいういろうを貰うとお得な気分に

また、ういろうが人気になった背景には、ずっしりと重いういろうを渡して、相手に喜んでもらいたいという日本人の気質も表れているのかもしれませんね。

補給食にぴったり! アスリート用ういろう

名古屋ウィメンズマラソンの補給食にも使用された

カエルがゴールテープを切っている姿が描かれたういろう。こちらはアスリート用のういろうです。青柳総本家の青柳ういろうの主原料・米粉は、エネルギー補給にぴったり。塩分も加え、アスリート専用に仕上げているんです。

ういろうはランナーにも大好評!

実際に、名古屋ウィメンズマラソンの給水所で提供したところランナーたちから大好評だったそう! 味やバリエーション、そして用途まで、名古屋名物の青柳ういろうはカタチを変えて、たくさんの人に愛されているのですね。

© テレビ愛知株式会社