補償100億円、国に供託表明 旧統一教会会長、反省も謝罪否定

記者会見する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長=7日午後、東京都渋谷区の教団本部

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長は7日、東京都渋谷区の教団本部で記者会見し、元信者らへの被害補償が必要になった際の原資として、60億~100億円を国側に供託する意向を表明した。国の解散命令請求については「信教の自由、法の支配の観点から到底受け入れることはできない」と述べ、教団として改めて全面的に争う姿勢を示した。

 教団の財産については「解散命令裁判が確定するまでは、資金の海外移転は考えていない」とし、財産保全のための立法の「必要性は全くない」と警戒感を強めた。供託は「不安をお持ちの方のため」とした上で、国に制度設計を求めた。

 解散命令請求以降、初めての会見となった田中氏は冒頭で「このような事態に至ったことは深く反省をしている。心からおわびする」と頭を下げた。ただ「被害請求全てが被害だとは受け入れがたい」「教団に過ちがあれば謝罪するが、現在は被害者、被害金額も不明確」として、被害補償を求める元信者らへの謝罪ではないとの認識を示した。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の本部が入るビル
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の記者会見=7日午後、東京都渋谷区の教団本部

© 一般社団法人共同通信社