【MLB】 3人の新監督が誕生 カウンセルは同地区ライバル・カブスに電撃移籍 ボートが待望の監督就任

写真:スティーブン・ボート

日本時間11月7日、MLBでは3人の新監督が誕生した。『MLB.com』が報じている。

中でも衝撃的な人事だったのが、カブスが今季までブリュワーズの監督だったクレイグ・カウンセルを抜擢したものだった。カブスは契約の残っていたデビッド・ロス監督を解任してまで、同地区ライバルから監督を引く抜くことを選択した。

柔軟な継投策・プラトーン起用を操るカウンセル監督は現代の名将として知られる存在。金満球団とはいえないブリュワーズを過去6年で5回のプレーオフ、3回の地区優勝に導いてきた。今季限りでブリュワーズとの契約が満了すると、ブリュワーズでコンビを組んだデビッド・スターンズを球団トップに招聘したメッツの監督就任がほぼ既定路線と見られていた。

しかし、結果は同地区ライバルへの移籍という衝撃的なものだった。カブスは再建期を託し、今季は3年ぶりの勝率5割超えを記録したデビッド・ロス監督を1年の契約を残して解任した。シーズン終了後にはオーナー、フロントともにロス監督を称賛する発言もあっただけに、まさに驚天動地といったところだろう。

そして、カウンセルの招聘に失敗したメッツは、ヤンキースのベンチコーチだったカルロス・メンドーサを監督に据えるという。この人事はまだ正式には発表されていない。

ヤンキースのアーロン・ブーン監督のもとで4シーズンベンチコーチを務めたメンドーサは、これまでに監督経験はない。大ベテランのバック・ショーウォルター前監督と比べると、経験という点では見劣りするだろう。しかし、球界関係者によればメンドーサは「フレンドリーで愛想が良いが、状況に応じて規律を課すこともできる」と評価している。

また、この2人も候補に挙がっていたガーディアンズの監督職は、スティーブン・ボートに決まったという。正式には発表されていないものの、ガーディアンズはボートと3年契約を結んだと言われている。

捕手としてアスレチックスなどで10シーズン活躍したボートは、現役時代から将来の監督候補として知られるナイスガイだった。2022年を最後に現役を引退してから、今季はマリナーズでブルペン兼クオリティコントロールコーチを務めていた。

ガーディアンズの監督として921勝を挙げたテリー・フランコーナが勇退し、後継者を探していたガーディアンズは、組織の価値観を共有しつつも、新しい視点を持ち込める人材を探していた。他の候補には前述のメンドーサをはじめ、レンジャーズのウィル・ベナブルら監督未経験のコーチが挙がっており、ガーディアンズはフレッシュな候補を求めていたのかもしれない。

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