名古屋土産の定番・坂角総本舗「ゆかり」、どうやってパリッと食感に? エビの殻を使った新たな挑戦も

坂角総本舗「ゆかり」

ういろうからしるこサンド、ぴよりんまでバリエーション豊かな名古屋土産。中でも定番の1つが坂角総本舗の「ゆかり」です。1966年の発売開始以来、累計販売数は35億枚を突破した、ベストセラー商品となっています。今回はそんな「ゆかり」の製造現場に迫ります。

ベストセラー「ゆかり」の工場に潜入

名古屋土産として堂々の人気

名古屋駅のキヨスクでも売り上げ1位の坂角総本舗の「ゆかり」。エビの味が濃く、おつまみにももってこいです。海外の観光客にも人気なんだそう。バリエーションも豊富で、名古屋限定の黄金缶や家康ブームにちなんだパッケージまで登場しています。

丁寧な洗浄から始まるゆかり作り

そんな「ゆかり」を製造しているのは、東海市・加木屋工場です。三河湾や瀬戸内海などで獲れた天然のエビが登場。まずはエビのひげ、さらに釣り糸や砂などの不純物を完全に落とすため、大量の水を使ってしっかり洗います。

エビのダンスパーティーからすり身へ加工!

まるでダンスパーティーのような水切り

きれいになったエビが次々と出てきました。水を切っている様子は、まるでエビのダンスパーティーのようです。その後、エビの殻を丁寧に剥がしたら、違う機械を通してエビを加工していきます。

シンプルな味付けこそおいしさの秘訣

出てきたのはきれいなエビのすり身です。エビ本来の味を損なわないよう、塩や砂糖などでシンプルに味付けされています。そこにでんぷんを混ぜたら、ベースとなるゆかりの生地の完成です。

180度の2度焼きを経て、パリッと食感のゆかりが完成

エビの粒感もわかるほど濃い生地

続いて巨大な搾り機に通して、生地を次々と鉄板の上に搾り出していきます。エビの粒感がはっきりと見えますね! なんと生地の7割がエビで、ねっとりとしているのは濃厚な証なのです。鉄板に搾り出された生地は、トンネルを通るとぺっちゃんこの状態で出てきます。

はんぺん状態のゆかりはこれからどうなる?

今の状態は非常に柔らかいエビのはんぺん。ここからさらに手を加えることで、独特な風味や香ばしさを出していきます。どうしたらパリッと食感になるのでしょうか?

こだわり製法と手間をかけられてゆかりの完成

生地を1週間寝かせて、巨大なオーブンに入れていきます。これこそがパリッと食感の秘訣。180度でじっくり2度焼きすることで、立派なゆかりが出来上がります。丁寧に手がかけられた名古屋土産の定番ゆかりには、こだわりの製法が詰まっているのですね。

オリジナルのえびせん作りも可能

そんな「ゆかり」ですが、せんべいに自分好みの文字やイラストを入れることも可能! 「オリジナル印判煎餅」という商品です。デザインデータをコンピューターに取り込めば、天然色素を使ったプリンターでオリジナルのせんべいを作れます。

エビの殻を活用したハンドクリームを開発!

一方で、さまざまな商品にエビを使っている坂角総本舗ならではの、大量のエビの殻が廃棄物として出てしまうという課題も。そこでベンチャー企業とコラボレーションして、「EBIKARA MIRAI」というハンドクリームも開発しました。

肌を守るキチンという成分に着目した

エビの殻には肌を守る成分・キチンが含まれることに着目したそう。乾燥肌に荒れた手や指のほか、ひげ剃り痕にも使えます。手を洗っても効果が長続きするという好評価の声もたくさん届いています。坂角総本舗は今も、進化を続けているのですね!

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