和歌山県の田辺市子どもクラブ育成協議会などは10月26日、スマートフォンや交流サイト(SNS)のトラブルから子どもを守る術を学ぼうと、「NIT情報技術推進ネットワーク」(兵庫県)の篠原嘉一社長を招いて同市新屋敷町の紀南文化会館で講演会を開いた。
全国の学校や企業で情報セキュリティーに関する講演を続ける篠原さんは「子どもが家にいれば安心と思うが、実は一番危険。アプリでどこの世界へも行ける。何を使っているか、親がしっかり把握することが大切」と呼びかけた。
気を付けてほしいと挙げたアプリの一つが「ディスコード」。ゲーム愛好家に人気の対話アプリだが、子どもの利用には危険が多いという。「闇バイトにつながるケースがある。ゲームを通じ、真面目な子どもと小学生時代から仲良くなっておいて、高校生になったころに闇バイトを持ちかけるといった事案が発生している」と指摘した。
一定時間でメッセージが消える設定がある通信アプリ「テレグラム」や、簡易な登録で知らない人と話せる通話アプリ「斉藤さん」なども、子どもが犯罪に巻き込まれる危険があると注意した。
こうしたアプリには使用に年齢制限を設けているものもある。18歳以上を対象にしたアプリで、子どもが問題を起こすと、責任は親にかかる。
篠原さんは「見られて困ることは投稿しない。会ったことのない人とオンラインゲーム上で話をしない」と注意点を挙げ、「できることと、していいことは違うと理解するのが情報モラル」と説いた。