アルウラで発見された巨大な石の「手おの」が地域の古代史を書き換える可能性

*きめの細かい玄武岩の道具は長さ51.3センチで、20万年以上前のものか

*旧石器時代前期から中期ごろの世界最大の「手おの」とみられる

*アルウラ王立委員会の調査チームは古代のミステリーを解き続けています

アルウラ(サウジアラビア), 2023年11月6日 /PRNewswire/ -- サウジアラビア北西部のアルウラで活動中の調査チームがこのほど、世界のどこかで発見されたものとしては、最大とみられる石の「手おの」遺物を発見しました。最初の現場での評価では、この巨大な遺物は旧石器時代の前期から中期にまでさかのぼり、20万年以上前のものではないかとみられています。

Hand Axe In Situ - Qurh Plain AlUla

この手おのは、TEOS HeritageのÖmer 'Can' Aksoy博士とGizem Kahraman Aksoy博士の指揮の下で、アルウラ王立委員会(Royal Commission for AlUla 、RCU)とともに活動している、考古学者による国際チームによって発見されました。チームはこれまで、古代の人類の活動の証拠を探し求めて、Qurh Plainと呼ばれるアルウラ南方の砂漠地帯の調査を行ってきています。

チームは既に、この人を寄せ付けない土地が初期イスラム期から活発なコミュニティーを支えていたことを示す考古学的遺物の発見に成功しています。また今回のまれにみる独特な物体の発見が、アラビアとそれ以外での人類の歴史に新たな章を書くことを約束しています。

きめの細かい玄武岩でできたこの石器は長さ51.3センチで、切断したり、刻んだりしたりできるような両端によって頑丈な道具を作るために使われてきました。その大きさにもかかわらず、この道具は両手に心地よくフィットしていますが、この段階では、その機能は推測することしかできません。

調査は引き続き進行中で、この発見物は、いくぶん小さめであるあるものの、これまで発見されたものに類似した10数件の旧石器時代の手おののうちの1つにすぎません。さらに科学的調査が進んで、この物体の起源や機能、数十万年までにこれを作った人たちについて、より詳しいことが明らかになることが期待されます。

プロジェクトディレクターのÖmer Aksoy博士は「この手おのは、進行中の Qurh Plainの調査の最も重要な発見物の1つです。この驚くべき石器は半メートル以上(長さ:51.3センチ、幅:9.5センチ、厚さ:5.7センチ)あり、この場所で発見された一連の石器の中で最大のものです。進行中の世界各地との比較調査では、これと同等のサイズの手おのには行きついていません。従って、これがこれまでに発見された最大の手おのの1つである可能性が十分あります」と語っています。

この Qurh Plain での調査に加えて、RCU は現在、アルウラと近隣のカイバーでフィールドワークを行っている他の11件の考古学的専門調査も監督しています。この意欲的な調査プログラムはこの地域での古代の謎をさらに解く目的で実施されています。今回の他に例のない発見は、サウジアラビアの人類の歴史について、まだ学ばなければならないことがいかに多くあるかを浮き彫りにしています。

考古学は、文化、自然遺産にとっての主要なグローバルデスティネーションとして、RCUのアルウラ郡の総合的な再生活動の重要な要素です。

10月から12月にかけての2023年秋季に進行している12件の考古学的活動は、考古学調査と保存の世界最大の集団の1つとなっています。作業は2024年の冬と春に計画されているさらなる活動とともに続けられます。

2023年の秋季には、オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、サウジアラビア、スイス、シリア、チュニジア、トルコ、英国などの国の専門家を代表する200名を超える考古学者と関連文化遺産の専門家が集まる注目すべき国際的な会合が開催されます。プロジェクトの多くは進行中の調査の継続であり、これにはサウジアラビアからの100人を超す考古学学生への研修と指導が含まれています。

9月には、第1回AlUla World Archaeology Summit(アルウラ世界考古学サミット)が考古学活動の拠点としてのアルウラの立場を紹介しました。サミットには39カ国から300人以上の代表団が参加し、考古学をより広いコミュニティーに結び付けようという目標を掲げ、専門分野の垣根を超えた対話が生まれました。

アルウラ王立委員会(Royal Commission for AlUla RCU)について

アルウラ王立委員会(RCU)は2017年7月、サウジアラビア北西部の素晴らしい自然と文化的重要性のある地域アルウラを保全・開発するために国王令によって設置されました。RCUの長期計画は、同地域の自然と歴史的遺産を保全しつつ、アルウラを居住、仕事、観光に望ましい場所として確立する都市・経済発展への責任ある持続可能で繊細なアプローチの概要を示しています。これには考古学、観光、文化、教育、芸術にわたる幅広い取り組みが含まれ、サウジアラビア王国のビジョン2030プログラムの経済的多様性と地域社会の活性化、遺産保全活動優先への寄与が反映されています。

TEOS Heritageについて

トルコのイズミルに拠点を置くTeosは、西アジアを専門とする独立系遺産コンサルティング会社です。TEOSは幅広い遺産評価作業と現場調査とともに、考古学上および建築上の助言を提供しています。考古学上のフィールドワーク、遺跡の記録、報告書や出版物の準備、遺産管理戦略に特殊な技能を有しています。

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Dr Omer Aksoy and Giulia Edmond Measuring the Hand Axe

Observing the Hand Axe via Magnifying Lamp

Three Hand Axe Artefacts from Qurh Plain AlUla

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