【アジア薬剤師会連合(FAPA)】ポスターアワード受賞/日本プライマリ・ケア連合学会薬剤師認定制度委員会

【2023.11.07配信】10月24日〜28日まで台湾で開かれていた第29回アジア薬剤師会連合学術大会(FAPACongress of the Federation of Asian Pharmaceutical Associations)で、日本プライマリ・ケア連合学会薬剤師認定制度委員会の発表がポスターアワードに選出され、受賞した。今回は応募総数は800件にものぼり、その中から受賞した。

症例報告やレポートとは異なる「ポートフォリオ」の効果を検証/自己省察、成長の証となる記録として実践学習に効果的なツール

日本プライマリ・ケア連合学会薬剤師認定制度委員会のポスター発表のテーマは「プライマリケア薬剤師としてのポートフォリオの有効性を検証する」。
薬学教育のセクションで投稿したもの。

竹内 あずさ氏、坂口 眞弓氏、押切 康子氏、柴田淑子氏、小見川 香代子氏などによる研究発表。

ポートフォリオはさまざまな業界で用いられる言葉だが、医療においては学習や評価のツールとして用いるポートフォリオは、症例報告やレポートとは異なり、自身が経験した事例について振り返り考えること(自己省察)が重要とされ、学習者の成果と省察の記録とも言えるとする。プライマリ・ケアをつかさどる薬剤師として、さまざまな領域を実践するためにポートフォリオを作成する意義と、その効果について検証した。

日本プライマリ・ケア連合学会では、プライマリ・ケア認定薬剤師の認定更新要件の一つに、ポートフォリオの作成が定められている。10領域の中から5領域のポートフォリオを作成しなければならない。
また、プライマリ・ケア認定薬剤師委員会では、認定更新時に提出されたポートフォリオの中から領域ごとに優秀ポートフォリオを選定しており、その発表の場としてポートフォリオ発表会を毎年開催している。研究では、昨年度の優秀ポートフォリオ数点を例示し、その効果を検証した。

その結果、例示したポートフォリオから、ポートフォリオは単なる事例や症例の経験にとどまらず、プライマリ・ケアに欠くことのできない領域を経験し、自己省察し、実践してきた成長の証となる記録であり、実践学習にとても効果的なツールであることが検証できたという。

同研究では、「ポートフォリオは、日々の薬剤師業務を振り返り再考していくことで自己成長につながる優れたツールであると共に、新人教育などでの評価ツールとしても有効である」とし、また「ポートフォリオ発表会は、参加者が事例を通して未知の経験を共有することができる場となり、発表者にとっても参加者の様々な意見から新たな気づきを得る良い機会となる」と考察している。

ポスターアワード選出は全体で80件程度。
https://fapa2023.com/site/mypage.aspx?sid=1509&lang=en&pid=109

研究メンバー

ポスター発表はすべて電子ポスターで行われた

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