「おわび」発言も謝罪なし 田中会長、教団の責任否定

 教団の日本トップは1年3カ月ぶりに公の場に現れた。献金に関して信者の家庭への配慮が足りなかったなどとして、「おわび」と何度も口にした一方、謝罪ではないとし、「被害者」という表現も使わなかった。7日、東京・渋谷であった世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長の記者会見。返金要請には「丁寧に向き合う」としつつ、トラブルは信者の問題だと教団の責任を否定した。

 午後2時ごろ、大勢の報道陣が待ち構える教団本部2階に姿を見せた田中氏。立ったままで「献金に際して指導が行き渡らず、つらい思いをされた方におわびする」と述べ、頭を深く下げた。

 その後は着席し、テーブル上の紙に目を落としながら、コンプライアンス宣言を出した2009年以降は献金トラブルが激減したなどと従来の主張を繰り返した。

 田中氏は解散命令請求の裁判が継続中であることを理由に、補償を求める元信者らには「被害者という言葉は安易に使えない」と説明。「献金は神聖な行為。信仰を失い返還請求したら、即被害というのは距離がありすぎる」と述べた。

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