金久保 翔(金沢武士団)の発信にBリーグ島田慎二チェアマンも改善を望むコメント

B3リーグの金沢武士団に所属するシューティングガードの金久保 翔が、ソーシャルメディアでチームの運営状況を危惧する発信を行ったことについて、7日に行われたBリーグ理事会後の会見で、島田慎二チェアマンがクラブとして改善を望む旨のコメントを発信した。金久保は11月5日に、自身のnoteで「金沢武士団の現状と、今後について。」と題する文章を公開。開幕からコーチングスタッフがいない状況でリーグ戦を戦っている窮状に触れながら、ピンチをチャンスに変えようとの意気込みをしたためている。

金沢武士団は2023-24シーズンの開幕初戦を四日後に控えた10月3日に、選手兼コーチだった山本郁也が開幕戦を最後に現役を引退し退団することを発表。その二日後にはアソシエイトコーチだった伊藤治矢氏との契約解除も発表した。通訳も、8月4日に小針 徹氏のライジングゼファー福岡への移籍を発表した後は新規人材を登用できておらず、現在チーム公式サイトのスタッフ紹介ページには、黒島秀介監督と神谷政昭トレーナー、伊東千春マネージャーの3人の掲載があるのみだ。金久保のnoteによれば、金沢はコーチと呼べる存在がないまま開幕を迎え、練習の組み立てや対戦相手のスカウティングを選手たちが行い、公式戦での選手登録から戦術等の検討なども黒島監督と親会社である北陸スポーツ振興協議会株式会社の中野秀光代表取締役社長と選手が話し合いながら行っているという。

島田チェアマンは「チームマネジメントがうまくいっていなかったことからおそらく起因していると思う」と話した。金沢に限らずB3リーグ全体の状況に常々目を向けているといい、「出張もB3のクラブに行くことも多いですし、方針が違うから関係ないので堀井さん(堀井幹也理事長)に任せていますということはしていません」とのこと。BリーグとB3リーグは別組織とはいえ、やはり心配しながら見守っている様子だ。この件は単一クラブの問題でもあり、間接的な立ち位置という関係性からも、「詳細はクラブが語るべき」と話したが、おおむね状況を把握しているという。

間接的に確認できているのは、シーズンが始まってしまっているだけに、新規で人員を手当てしようとしても思うように人が見つからないというクラブの現状だ。「必死になって動いていますけれどそこが後手々々になって、選手たちも当然不安になって発信してしまったと思う。そこは残念だったし、その前にクラブに手を打ってほしかったなと思います」と島田チェアマンは思いを明かした。

「クラブと選手がどのようなコミュニケーションをリアルにしているかまではわかっていない」とのことだが、クラブからは人員的な手当てを改善すべく動き続けていることは伝えられている。「そこはしっかりやってほしいということは、間にB3が入っている中で間接的にコミュニケーションをとっています」と島田チェアマンは話した。

金沢は今シーズン、開幕からの10試合を終えて1勝9敗でB3の18チーム中最下位に沈んでいる。

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