複数業者を家宅捜索 志賀贈収賄事件

  ●県警 別の工事で立件視野

 志賀町発注工事の入札を巡る贈収賄事件で、石川県警が複数の業者の事務所などを家宅捜索したことが7日、捜査関係者への取材で分かった。これらの業者の中には任意の事情聴取に対し、「自社で落札した工事で町長に現金を渡した」という趣旨の説明をしている業者がおり、6日も関係者から事情を聴いた。県警は、町長の小泉勝容疑者(57)=同町町(まち)=が逮捕容疑以外の複数の工事でも不正を行っていた可能性があるとみて調べている。

 捜査関係者によると、県警はこれまでに町内の複数の建設関係会社を捜索し、入札や工事に関する資料を押収するとともに、それらの業者代表や幹部から任意で事情を聞いている。

 小泉容疑者は7月6日に行われた志賀町の配水管更新工事の入札で、青谷工業(同町)から便宜を図るよう依頼され、謝礼の現金50万円を受け取り、最低制限価格を漏らして落札させたとして逮捕された。

 過去2年の志賀町発注工事の入札150件のうち最低制限価格と同額で落札されたのは41件で、このうち27件は小泉容疑者が最低制限価格を決めていた。

 県警は、青谷工業以外にも最低制限価格と同じ額で落札した業者が複数いることから、他の入札についても小泉容疑者が業者に便宜を図った疑いがあるとみて、立件に向けて慎重に捜査を進めている。

  ●町長選、12月24日投開票 11月24日立候補予定者説明会

 志賀町選挙管理委員会は7日、小泉容疑者の辞職に伴う町長選について、12月19日告示、24日投開票とすることを決めた。立候補予定者説明会は11月24日に町役場で開く。現職町議が告示日10日前の9日までに辞職して出馬する場合、町議補選が同時に執行される。

 志賀町選管が6日に受理した小泉容疑者の辞職願に退職の日付の記載はなく、地方自治法に基づいて20日後の今月26日に自動失職となる。公選法の規定で町長選は辞職の通知から50日以内に行われ、12月24日は規定の中で最も遅い日曜日となる。新町長の任期は投開票日から4年間。

 9月1日時点の選挙人名簿登録者数は1万6480人(男性7880人、女性8600人)となっている。

 町長選の日程確定を受け、町議会は12月定例会の閉会日を当初の19日から15日に変更した。

© 株式会社北國新聞社