アニメ『葬送のフリーレン』 フェルン&シュタルク “弟子2人”の圧巻バトルシーンにファン大興奮 「神作画」

アニメ『葬送のフリーレン』第9話では、大魔族・アウラに一人立ち向かうフリーレンの様子が描かれる一方で、アウラ配下の魔族・リュグナーたちと再び交戦するフェルンとシュタルクにスポットが当てられた。圧倒的な力の差に苦戦を強いられる中、2人の脳裏にはそれぞれの師匠の姿が浮かぶ。かつての“教え”を武器に立ち向かう若き魔法使いと戦士の姿に、視聴者からは感動と興奮の声が飛んだ。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆意趣返し

深夜、街外れの教会に息を潜めるフェルンとシュタルク。2人は街の防護結界を解除しようとたくらむ魔族・リュグナーに捕らえられていたグラナト伯爵を救い出し、その治療にあたっていた。魔族たちに対抗する手段に頭を抱えていると、「お前たちのおかげで助かった」と体を起こした伯爵から、とある昔話を聞かされる。実は80年前、今のようにこの街がアウラ率いる魔族たちによって襲撃された時、フリーレンたち勇者一行が撃退してくれたという。

再び魔族を倒してもらうため、フェルンたちはしばらく姿を見せていないフリーレンを探すことに決める。伯爵をリュグナーから救い出すことには成功したが、「あの時は不意打ちが偶然に成功しただけ。もしあのまま戦っていたら…」と、敵との圧倒的な実力差を感じていたのだ。奴らと再び相対してはいけない…。

会敵を避けながら街の外壁を通る最中、ふと衣服にこびりついた“血”に目がいく。先の戦闘でついた敵の返り血だろうか? いや、なにかおかしい。「シュタルク様、この血から魔力が…」。その瞬間、フェルンの体は壁に打ち付けられていた。ムチのように長く、槍(やり)のように鋭い血の塊が、自身の肩を貫通している。「下手に動いたせいで急所を外してしまった」と姿を見せたのは、あのリュグナーだった。

気づけばシュタルクもまた、リュグナーと共に現れた少女の魔族・リーニエによって吹き飛ばされ別の場所で戦っていた。一瞬、覚悟を決めたフェルン…。しかしリュグナーはトドメを刺すどころか、あげくに「あの小僧は強いのか?」「フリーレンはどこだ?」などと、背を向けて問答を始める始末。フェルンは気づいた。これは自分たちが行った不意打ちの意趣返しであると。フェルンは自身を拘束する“血の塊”を素早く砕き、「この至近距離なら、あなたの心臓を撃ち抜けます」と、その背に杖(つえ)を突きつける。リュグナーはこちらに顔を向けることなく言い捨てた。「やってみろ。その前にお前の首が飛ぶ」。

フェルンを捕らえたリュグナー 前に致命傷を負ったはずの半身は自身の魔法で処置している

◆師匠に勝るもの

「フリーレン様、私はお役に立てていますか?」と、記憶の中の自分がつぶやいた。圧倒的強者との戦いを前に、フェルンは過去を思い返していた。フリーレンとの旅路の途中、幾度も思い知らされた自身の力量。「私はフリーレン様ほど魔法を完璧に扱えません」。ぼやくフェルンに、「それは生きてきた時間の違いだからね。フェルンが私に追いつくことはないよ」と、師匠はそっけなく返す。しかして落ち込む弟子に、こう言葉を続けた。

「でも、それはあくまで魔力や技術の話だ。私はよく魔物との戦闘をフェルンに任せてるでしょ。フェルンが戦った方が早く終わるんだよ。私よりも魔法を打つのが速いから」

…圧倒的強者との戦いを前に、フェルンは覚悟を決めた。両者の間にしばしの静寂が訪れる。満月を覆い隠していた雲がゆっくりと晴れていく。先に動いたのはリュグナー。音よりも速く、その鋭い眼光が線を描いた。振り返り、“血の槍(やり)”をフェルン目掛けて突き出す。しかし、そのわずか2手の間にフェルンの攻撃魔法が割って入った。

激しい衝突音とともに火花が散る。「なんだ、この反応速度は…」と大きく目を見開いたリュグナーは、今度は距離をとって攻撃を仕掛ける。“血のムチ”を十数本、数十本と作り出し、魔法使いの少女に振り下ろす。しかし、届かない。届く前に全て魔法で打ち落とされる。「フリーレンめ。この小娘にどんな修行を叩き込んだ」、そう心の中でつぶやくリュグナーは守りに徹するほかなかった。消耗戦に持ち込み、魔力切れを待つか? いや、その前に決着がついてしまう。リュグナーは冷や汗を浮かべながら、離れた場所でシュタルクと交戦中のリーニエに手助けするよう求めるのだった。

リュグナーの攻撃をさばきながらゆっくりと距離を詰めるフェルン

◆強者に勝つ秘けつ

フェルンが善戦を見せる一方、シュタルクは手を焼いていた。魔族・リーニエは少女のような体でありながら、魔法で生み出した長斧を自由自在に振り回す。その一撃はとてつもなく重く、どこか“懐かしかった”…。シュタルクは何度も「信じられない」といった面持ちを浮かべ、リーニエに問うた。「その斧(おの)さばき、どういうことだ。そいつは師匠の技だ」

魔族はそれぞれ、固有の魔法を操る。リーニエは“模倣する魔法”を得意とした。「人が動いている時に、体内の魔力の流れを記憶して動きを模倣できるんだよね。こんな風に」と、シュタルクに向かって走り出す。先ほどまで斧(おの)を持っていたはずの手には、なんと剣が握られていた。リーニエの動きが打って変わる。対応するのに必死なシュタルクをよそに、リーニエは剣を槍(やり)に、さらには槍(やり)を投げナイフに変化させ襲ってくる。シュタルクにとってみれば、まるで何人もの戦士を相手に戦っているような感覚。「まさか…」とつぶやくシュタルクに、リーニエは斧(おの)を振り下ろしながら言い放つ。「私は戦士アイゼンの動きを模倣している」。動揺を見せたシュタルクはついに倒されてしまう。薄れゆく意識の中で、師・アイゼンの無骨な言葉が脳裏をよぎった。

リーニエの動きに既視感を覚えるシュタルク

「立て、シュタルク。どんなにボロボロになっても倒れることだけは許さん」「そんなこと言ったって。俺が師匠に勝てるわけねえだろ」。かつてアイゼンのもとで修行を受けていた時に交わした会話。ぼやいてみたものの、「当たり前だ。俺はお前より強い」と返された。だがアイゼンはその時、こうも言った。「お前はまだ負けていない。強い相手に勝つ秘けつを教えてやろう。簡単だ、何度でも立ち上がって技をたたき込め。戦士ってのは最後まで立っていた奴が勝つんだ」。

師の教えを支えに、シュタルクは立ち上がった。「大人しく寝てれば良かったのに、もう負けたんだから」とため息をつくリーニエに、「俺はまだ立っている」と言い放つ。両者は最後の一撃を繰り出すため、静かに構えた…。先に飛び上がったのはシュタルク。斧(おの)を握る両手を天高く掲げる。リーニエは「血迷ったな」とつぶやくと、大きな隙が生まれていたシュタルクの脇腹にカウンターの一撃を決める。しかし、脇腹に食い込んだ斧(おの)を見てシュタルクは微笑む。「ビビって損したぜ。やっぱり全然重たくねぇや」。次の瞬間、一直線に振り下ろされたシュタルクの攻撃は巨大な光の柱となり、リーニエの体を消し飛ばしていた。

その逆転劇は、もう一方の戦いにも影響を及ぼした。消滅したリーニエの気配にリュグナーは一瞬気を取られてしまう。その隙をフェルンは見逃さない。師・フリーレンにたたき込まれた魔法“ゾルトラーク“が、リュグナーの心臓を真っ直ぐに貫いた。

第8話でシュタルクが見せた攻撃の構え アイゼンの動きを模倣していたリーニエも同じ構えを取っていた

◆師弟のきずなに称賛の声

圧倒的な強敵に立ち向かう中で師弟の強いきずなが描かれた今回の放送を受け、視聴者からは「師匠の教えによって救われているのがエモい」「最高に熱い」「ジーンとくる」など、感動の声が多数上がった。また、それぞれのバトルシーンは原作よりも大幅にカットが追加されており、「神作画すぎる」「魅入ってたら終わってた!」と、その迫力あるアニメーションを絶賛する声も多かった。

中でもフェルンがリュグナーの魔法をさばきながらゆっくりと近づいていくシーンでは、「めちゃくちゃかっこいい!」「怖さすら感じますな」「可愛すぎ」と、さまざまな意見が。また一つ「フェルン」というキャラクターの魅力が上がったと、大きな盛り上がりを見せた。

『葬送のフリーレン』次話「強い魔法使い」は、11月10日(金)よる11時「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」(全国30局ネット)にて放送予定。

画像提供:©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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