新潟以北の海水温低いと… ウマヅラハギ富山県内豊漁、県水産研が放流調査

調査用の電子タグを付けられたウマヅラハギ

 冬季に富山湾より北側の日本海の水温が低ければ、富山県内でウマヅラハギが豊漁に?   県水産研究所は7日、成果発表会で放流調査の結果を報告し、回遊するウマヅラハギが寒さを避けて富山湾に南下する可能性が高いとの見方を示した。研究所は、漁獲量予測に役立てたい考え。

 県内では、魚津漁協がウマヅラハギのブランド化に力を入れている。漁獲量は全国的に減少傾向だが、生態の研究は進んでいない。富山湾で捕れるウマヅラハギは、日本海の北側海域から南下してきた個体が多いとみられている。

 2019年の記録的な不漁を受け、研究所は全国に先駆けて22年に調査を開始。同年1、2月に水温などを測る電子タグを30匹に付けて魚津沖で放流し、その後17匹が漁獲された。放流後の1カ月間は富山湾の中西部で、温かくなった春以降は富山湾の東部や新潟県沖で水揚げされた。

 研究所の瀬戸陽一副主幹研究員が分析結果を発表。1月上旬の新潟県沖の水温が低ければウマヅラハギが富山湾に南下するが、高い場合は富山湾に南下せず、とどまって越冬する個体が多いとした。

 24年1月には、より高精度の電子タグで調査する予定だ。瀬戸研究員は「漁獲量予測に使えるようデータを積み上げたい」と話した。

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