従業員のパフォーマンス低下、抑うつ症状と不定愁訴が関係 筑波大学が調査

日本の企業従業員の労働パフォーマンス低下に抑うつ症状と食欲がない、眠れないなどの不定愁訴が強く関係していることが、筑波大学体育系の武田文教授の調査で分かった。特に男性は女性より健康問題と労働パフォーマンスの関係が濃く出ていた。

筑波大学によると、武田教授は日本の企業が2016年に実施した従業員約1万2,600人分の健康診査、ストレスチェック、診療報酬明細書のデータ、労働パフォーマンスの調査結果を分析し、26の健康問題と労働パフォーマンスの関係を調べた。

その結果、抑うつ症状、食欲がない、動悸や息切れ、よく眠れない、めまい、便秘や下痢、節々の痛み、胃腸の不調、頭痛が男女とも労働パフォーマンスの低下を招いていた。特に抑うつ症状が最も強い影響を与え、次いで食欲がない、眠れないなどの不定愁訴が関係していた。

特に男性はこれらに加え、14の健康問題が労働パフォーマンスの低下に関係し、女性以上に健康問題の影響を受けていることが明らかになった。

武田教授は企業の従業員支援策としてストレスチェックを活用し、メンタルヘルスや睡眠、不定愁訴の改善に取り組みことが効果的と提言している。

論文情報:

【Journal of Occupational and Environmental Medicine】Health problems related to presenteeism among Japanese employees

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