スリルを味わいながら図書館で本探し!? 読書活動推進へ沖縄の高校生が工夫したこと

 沖縄県教育委員会は4日、那覇市の県立図書館ホールで県「文字・活字文化の日」記念フォーラムを開いた。高校生読書リーダーによる工夫を凝らした「図書館活用術」の実践発表や、読書活動の優秀実践校6校と、1団体を表彰。参加者は日頃から文字や活字に親しみを持つ大切さを共有した。(社会部・新垣亮)

 フォーラムでは各校で進められている図書に親しむ取り組みが紹介された。昨年度の高校生読者リーダーの一人、名護商工高3年の矢澤梨耶(りや)さんは昨年12月の約2週間、図書館の一角を一人で「お化け屋敷」にした。

 活動目的は「図書館利用者を増やす」こと。事前にアンケートを実施し、利用回数が「0回」または、「1~2回」と回答した同校生徒が合わせて約75%に上ったことから、展示の工夫を模索した。

 対象を人気上位にあった「ホラー系」に絞り、図書館の資料室を活用。資料室の窓などに新聞や黒いビニールを張った。

 照明を暗くし、懐中電灯で照らしながらスリルを味わい、興味がある本を探すという空間にし、利用者から「いろいろなホラー本があることを知り、面白かった」といった意見が寄せられたという。

 生徒一人一人の図書館の滞在時間が伸びた結果などを紹介した矢澤さん。「広報宣伝活動が少なく、自分一人だけの取り組みだった」と課題も挙げ、「ニーズにあった特集を考え、仲間を増やすのが一番大事だ」と強調した。

 発表後、矢澤さんは「活動は一人ではできず、他人の視点も大切。他の読書リーダーとも連携を取って、新しいことに取り組むことができたらいい」と笑った。

 矢澤さん以外にも、昭和薬科大付属高の発表もあった。

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