長崎ヴェルカ B1開幕ダッシュ成功! 通算8勝3敗 堅守速攻で「らしさ」発揮 【序盤戦総括】

1試合平均15得点でチームけん引するボンズ=長崎市、県立総合体育館

 バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)は5日で第6節まで(11試合)を終え、B2から昇格してきた西地区の長崎ヴェルカは、通算8勝3敗とスタートダッシュに成功した。国内最高峰の舞台でもチームの代名詞である堅守速攻を軸に「ヴェルカらしさ」を存分に発揮している。
 開幕節は昨季2位の千葉Jと対戦。厳しい戦いが予想されたが、ボンズの2試合連続ダブルダブルの活躍もあって2連勝を飾った。続く富山戦は馬場が5季ぶりにB1復帰。開幕直前に電撃加入した日本代表が攻守で存在感を放つなど、開幕4連勝と最高の滑り出しをみせた。第3節のSR渋谷戦、第5節の三河戦は1戦目を落としたものの、2戦目は修正力の高さを見せて取り返した。
 快進撃の要因となっているのが高い攻撃力。持ち味の展開の速いバスケでB1トップの1試合平均87.7点を挙げている。個人平均は16.8点のパーキンズを筆頭に、ボンズ、ブラントリー、馬場も2桁得点。リーグ全体ではパーキンズが19位であることからも分かるように、全員がバランスよく得点を重ね、相手に的を絞らせていないことも強みとなっている。
 生命線の守備も積極的で激しい。1試合平均スチール数はリーグトップの8.4本。勝負どころで仕掛けるプレスは他クラブの脅威になっている。
 一方でファウルの増加が課題の一つ。ハードな守備の裏返しであるが、接戦でフリースローからの失点を重ねるのは痛い。高い強度を保ちながらも、不用意なファウルは減らしていきたい。
 その守備の中心はチームの契約第1号選手でB3時代から支えてきた松本。ステージが上がって強力な新加入選手を迎えても、開幕からスタメン出場を続けている。一人一人が高い意識を持って地道に個の力を磨いていることもチーム力の底上げにつながっている。

チーム契約第1号選手の松本(中央)。激しい守備でヴェルカの快進撃を支えている=長崎市、県立総合体育館

 全60試合でチームがターゲットに掲げる「30勝」に向け、11試合で8勝は上出来と言えるが、順位は西地区8チーム中4位。首位は9勝2敗の大阪で、昨季優勝の琉球や名古屋Dがヴェルカと同じ8勝3敗、5位島根も7勝4敗で続くなど、他地区に比べて混戦となっている。チャンピオンシップ進出(各地区上位2チームとワイルドカード2枠)に向けては、まだまだ予断を許さない状況だ。
 ヴェルカのここまでの西地区同士の対戦は、島根との1試合のみ。リーグトップ10勝1敗で東地区のA東京をはじめ、自地区、他地区ともに上位チームとの対戦はこれからとなる。まずは8日の第7節の名古屋D戦を乗り越えて、さらに弾みをつけたい。

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