天鷹酒造で"新酒"の仕込み始まる 使用米を「夢ささら」などほぼ栃木県産米へ切り替え

 8日は、暦の上で冬の始まりとされている二十四節気の一つ「立冬」です。

 大田原市の酒蔵では、冬の風物詩となっている新酒の仕込みが7日から始まりました。

 大田原市蛭畑の天鷹酒造では新酒の仕込み作業が行われ、栃木県が開発したオリジナルの酒米「夢ささら」など約360キロの新米が炊き上げられました。そして、杜氏が米の炊きあがり具合を確認しながら蔵人たちが手際よく蒸し米をまとめていきます。

 「夢ささら」は吟醸や大吟醸などの質の高い日本酒の醸造に適した品種とされていて、天鷹酒造では今回の仕込み分からこれまで全体の3割を占めていた山田錦を、一部を残してすべて「夢ささら」に切り替えました。「夢ささら」の比率を前の年の1割未満から3割ほどに増やしたことで県産米の比率も7割弱ほどから9割8分にまで高まったということです。

 また、今年の夏は猛暑に見舞われコメの収穫量が落ちたことで調達も危ぶまれましたが、天鷹酒造では県産米の確保に目途もたち尾崎宗範社長も胸をなで下ろします。

 仕込み用のタンクでは、米や麹を発酵させるかくはん作業も始まり約1ヶ月ほどで「うまみもありながら後味もスッキリとした切れの良い」新酒になるということです。

 仕込みは、来年(2024年)3月ごろまで続き、12万本の生産を見込んでいます。初出荷は来年の春を予定していて、国内をはじめ海外約23ヵ国に届けられるということです。

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