100年ぶり11月の最高気温を更新 季節はずれのサクラ咲く 経済に影響も

都心で実に100年ぶり、11月の最高気温を更新です。11月7日は都心で27.5℃の夏日となるなど、各地で記録的な暑さとなりました。この暑さは様々な場所に影響を及ぼしています。

江東区にある都立公園。春に花を咲かせるソメイヨシノのサクラが、なんとこの11月に開花していました。公園の管理者は「こんなことは初めてだ」と話していて、11月に入っても続く暑さが原因ではないかと推測しています。

11月7日も都内は気温が上昇し、都心では昼過ぎに27.5℃を観測。11月の最高気温を100年ぶりに更新しました。

街の人:「暑くてデレッとなっちゃいました」「ちょっと体がついていかない。気温の変動が激しいから」「衣替えは1回したんですけど、暖かいので奥から(薄着を)また出してという作業は大変だった」

このところの記録的な暑さは、商店街で営業する多くの店に影響を及ぼしているようです。こちらの寝具販売店では…

東京フトンカンパニー 岩崎さん:「今ちょうど羽毛布団の祭りをやっているが、11月なのにまだ暑いというのがあってなかなか売れない」

例年であれば11月に入ると売れ出していく羽毛布団が全く売れない状態だと言います。

東京フトンカンパニー 岩崎さん:「(Q:暖かさは売れ行きに影響?)かなりしますね。寝具業界は特にそうだと思う」

こちらの洋菓子店でも、例年、冬に向けてチョコレート系のケーキが売り上げを伸ばす時期だそうですが、現在はアイスクリームや見た目にも涼しさを感じられるケーキが売れているそうです。

さらにこちらの鮮魚店では、続く暑さが経営にも大きく影響していました。

丸高水産 高山さん:「(Q:暑さの影響は?)まず一つにエアコンが効かない。エアコンが効かないので、魚屋はエアコンが効いてなんぼ、やっぱり鮮度が落ちてしまうからそのへんが問題」

例年ではこの時期には涼しくなり、冷暖房を使わなくなりますが、今年は暑さが続いているため、いまだに魚を冷やすためのエアコンを稼動し続けていて、光熱費がかさみ、経営を圧迫しているということです。また店頭に並ぶ魚にはこんな影響も…

丸高水産 高山さん:「例えば天然のぶりをこの時期入れるのが多いが、暑さのせいで色変わりが早い。こういう血合いの部分はどうしても暑いと色が黒ずむ、酸化を起こすのでそういう影響は大きい」

このところの異例の暑さは、農作物にも影響を与えています。

記者:「11月ですがこちらの畑では、夏の穀物トウモロコシがすくすくと育っています。」

暦の上では11月8日立冬を迎えますが、立川市の小山農園では夏が旬の野菜・トウモロコシ約2000本が大きく育っていました。

小山農園 小山代表:「今年の猛暑というか酷暑で、もしかしたらこれが秋まで続くのではないかと思って。(収穫は)普段は6月が基本なんですけど、今年の天候を見てギャンブル性が高いんですけど植えてみました」

6月下旬に約4000本を収穫したというこちらの農園では、8月下旬にも暑さが続いていたため、もう一度、収穫できるのはと種をまき、「あたたかい秋」を経て今月、2回目の収穫ができるまで育ったということです。

小山農園 小山代表:「夏と違って暑さが柔らかいので、ゆっくり育つため甘味もそれなりに増すと思う。見事ですね、もっと植えておけばよかったと思いました」

そして異例の暑さにより、異例の成長が見られたのはトウモロコシだけではありません。農園では10月に収穫する人参を例年7月に種まきをするのですが、今年の夏は暑過ぎて成長がストップ。しかし、9月末にもう一度種をまいたところ、倍の速さで大きく育ったそうです。

小山農園 小山代表:「芽が出ないから諦めるんじゃなくて、どんどん仕掛けていく気持ちが大事だと思う。ちょっと遅れちゃったんですけれども、いつもより完成度の高い製品ができたので、ぜひお届けしたい」

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