首脳陣“お墨付き”ベンゼマとの対立が仇に? アル・イテハド、昨季リーグ王者達成のヌーノ監督を解任

写真:アル・イテハド指揮官の座を追われたヌーノ監督(右)と、指揮官との確執が報じられてきたベンゼマ(左) ⓒGetty Images

サウジ・プロフェッショナルリーグに加盟するアル・イテハドが、ヌーノ・エスピーリト・サント監督の解任を発表した。

現在49歳のヌーノ監督は、2012年に母国ポルトガルのクラブであるリオ・アヴェの指揮官に就任して指導者として本格的なキャリアを歩み始めると、以降はバレンシアやポルト、ウォルヴァーハンプトン、トッテナムなどを率いた。

2022年7月には、アル・イテハドの監督に就任。1年目にして、チームを14年ぶりのサウジ・プロフェッショナルリーグ優勝に導いた。

今季は元フランス代表FWカリム・ベンゼマや同MFエンゴロ・カンテら世界的なスター選手を加えたこともあり、チームにはさらなる躍進が期待されていた。しかし、リーグ戦では直近5試合勝利がなく、6位。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でも、直近の試合でイラクのアル・クウワ・アル・ジャウウィーヤに敗れていた。

アル・イテハドはクラブ公式サイトで「クラブはポルトガル人コーチ、ヌーノ・サントとの契約を終えたことを発表する」と伝え、「献身性への感謝を表し、彼の将来の成功を祈っている」と付け加えた。なお、現段階でヌーノ監督の正式な後任は決まっていない模様。これまでアシスタントを務めていたハサン・カリファ氏が暫定的に指揮するという。

今季の成績不振もさることながら、ヌーノ監督は今季の目玉補強となった絶対的エースのベンゼマとの不和を指摘されてきた。今年8月にはイギリス紙『デイリー・メール』が両者の衝突を報じており、直近のACLでも2人は試合後に激しく口論していたという。元々、ベンゼマの獲得はクラブの名声向上とビジネスの側面から首脳陣が主導し、ヌーノ監督は同選手の獲得を要望していなかったと言われている。首脳陣“お墨付き”のベンゼマと複数回衝突したことによって、ヌーノ監督の立場は危ういものになっていた。

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