中国の加速器、27年着工も 全周100キロ、日欧に対抗

日中欧の次世代加速器計画

 宇宙誕生の謎を探る次世代加速器について、中国が2027年にも全周約100キロの巨大円形加速器(CEPC)の建設開始を目指していることが8日分かった。欧州の新型円形加速器(FCC)や、岩手・宮城両県の北上山地が候補地に挙がる国際リニアコライダー(ILC)の両計画に対抗、素粒子物理学で主導権を握る狙いとみられる。

 今年5月に米国で開かれたワークショップで中国の科学者が説明した。

 中国側の資料によると、建設候補地は長春、湖州、長沙など6カ所。技術開発などの準備を進め、中国政府の第15次5カ年計画(26~30年)中の27~28年に建設開始、早ければ30年代の実験開始を目指す。FCCとILCと比較する形でCEPCの長所を挙げ、性質解明が期待されるヒッグス粒子の分析や、正体が謎に包まれている暗黒物質(ダークマター)発見のためにはより良い選択肢になるとした。

 CEPC計画を主導する中国の科学者は共同通信の取材に「目標に向け動いているが、(建設地など)多くのことがまだ明確に決まっていない」と回答した。

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