猛暑でお米の品質に影響が… 食卓に欠かせないお米をおいしく食べる方法とは!?【アナたにプレゼン・テレビ派】 

宮脇靖知アナウンサーが伝える「猛暑で米の品質ピンチ?現状とおいしい炊き方」 【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。今回は、宮脇靖知アナウンサーが、食卓に欠かせない「お米」についてプレゼンします。

まずは、こちらの数字をご覧ください。広島県のお米に関する数字です。2023年、7割から6割へ減っているのは、なぜだと思いますか?

生産量に近い数字ではありますが、これは、一等米のお米の割合が減っているという事です。一等、二等、三等という等級は、玄米の段階で、見た目で判断されます。つまり、一等とされる見た目の良いお米の割合が、減っているという事になります。

減っている理由は、2023年の夏の記録的な猛暑と関係しています。それは、高温障害によるお米への影響です。収穫の時期は、出穂(しゅっすい)という、穂が出てから45日程度です。出穂までの45日間が、どういった気候だったのか、気温だったのかが影響します。

広島の一日の平均気温を見ると、8月の平年の1日の平均気温は、28.5度だったのに対し、2023年は30度でした。最低気温も26度台で、熱帯夜が多く、1日中気温が下がらなかった日も多かったという事です。9月に入っても、平年が24.7度に対し、2023年は27.2度で、あまり気温が下がっていないという状況です。

高温障害で、どのように見た目が変わるの?

精米したお米を見ると、透明な部分だけではなく、透明と白い部分が混じっているようなお米もあります。白い部分は、高温障害を受けているお米です。

デンプンの密度が低い部分が白くなっています。そこに空気が入り、乱反射することで、白く見えているということです。例えば、いい氷は、透き通ったきれいな氷ですが、家で作った冷凍庫の氷は、空気が入り、密度が低いので、白い部分ができます。お米にも、同じ事が言えます。

その要因を、広島県農業技術センターの研究員、勝場善之助さんに話を聞くと、稲も暑さでバテるそうです。本来であれば、穂に届けないといけない養分が、自分の体を維持するために使われ、消費されてしまい、穂に届かず、実りが悪く、乳白化し、粒が細いもの多いという事です。

この影響は、広島県だけではなく全国的に及んでいます。新潟県では、今年に関しては速報値で、半分以下になっています。また、埼玉県や愛知県などでも気温が上がり、一等米の割合が非常に低くなっています。

いかにおいしくお米を食べるのか!

お米マイスターで、五つ星のマイスターの食協・志和精米工場の奥梓紗さんにお話をお聞きしました。高温障害のお米の炊き方のコツです。まず、前提として、高温障害を受けたお米というのは、水を吸いやすく、もろいので、密度が低く、空気が入っていることから、水が入りやすいそうです。また、構造的にも壊れやすいという事です。

高温障害のお米の炊き方のコツ<その1>

研ぐときに優しく研ぎ、米の割れを防ぎ、研ぐ回数を1回減らします。普段、4回から5回研ぐことをおすすめしているそうですが、1回減らすことで、水の吸水率を低くしていきます。

高温障害のお米の炊き方のコツ<その2>

水に浸す時間は、夏場は30分から1時間くらい、冬場は2時間くらいおすすめしているとのことですが、それより短くします。夏場は、30分くらいにとどめておくということをおすすめするそうです。

高温障害のお米の炊き方のコツ<その3>

また、水の量も減らします。大体2%から3%で調整しますが、多くの方が目分量で測っているので、普段より少なめにして、出来を確かめて、その都度、ちょうどいいお好みの硬さにしてもらえれば、ということです。

高温障害のお米の炊き方のコツ<その4>

さらに、早炊きモードを活用するのもおすすめです。あまりよくないお米であれば、水をたくさん含ませたいと思いがちですが、壊れやすいため、べちゃべちゃしたお米になりやすいそうです。しっかりとした形を留めて、食感をよくするためには、こういった炊き方がおすすめとのことです。

このようなところを理解しながら、おいしいお米を秋、そして冬に食べてくださいという事です。

【テレビ派 2023年10月30日放送】

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