藤原竜也 主演 舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』製作発表会レポ

歌舞伎全盛であった江戸時代中期に実在した破天荒な歌舞伎役者 中村仲蔵。梨園の血縁ではない彼は、市川團十郎に見出されて異例の出世を遂げた。その波乱万丈な人生は落語や講談でも語り継がれ人気演目。ドラマ化もされ2022年度文化庁芸術祭テレビドラマ部門の大賞を獲得。

唯一無二の中村仲蔵の物語を、ドラマ版の脚本監督 源孝志が舞台戯曲として書きおろし、蓬莱竜太が演出。中村仲蔵役を務めるのは藤原竜也。そして市原隼人、尾上紫、廣田高志、植本純米、古河耕史、斉藤莉生、今井朋彦、池田成志、髙嶋政宏ら、実力派が出演。

都内で製作発表会が行われた。
最初に主催者より作品の説明があった。「歌舞伎黄金期に彗星のごとくに現れた中村仲蔵の波乱万丈の人生、歌舞伎の表と裏を描いた作品です。階級社会と男たちの生き様に焦点を当てています。源さんのスペシャルドラマ(NHKBSで放送された「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵出世階段」)とは違った視点です」とコメント。それから藤原竜也、市原隼人、浅香航大、尾上紫、今井朋彦、髙嶋政宏、源 孝志 (脚本) 、蓬莱竜太 (演出)が登壇。

注目ポイントということで、源 孝志「仲蔵を藤原竜也でやらせたいと…びっくりしました。40代を迎えて、役者にとっては経験値、スキル、体力、一番いい状態、そういう作品をやらせたいということで…TVドラマより先に考えていた。今回、歌舞伎界の方は1人もいらっしゃらない。この陣容で、江戸時代、これから最盛期、ある種のフレッシュさ…そう言うのを表現したい。皆さんに存分にたくさん稽古していただいて…」

演出をする上で描いていくビジョンについて
蓬莱竜太「歌舞伎の世界を演劇で、演劇の役者で歌舞伎、そこが難しいところ、江戸時代の歌舞伎、皆さんイメージはあると思います、演劇のイメージで演出できたら。シェイクスピアも人間ドラマですけど、軋轢とか背景とか…普遍のテーマ、歌舞伎を演劇にしたいなと。」
本格的な稽古はこれから、作品の魅力と役柄について

藤原竜也「この前まで『ハリー・ポッター』、まったく違う世界でかすりもしない(苦笑)。歌舞伎を演劇として…稽古は始させてもらっていますが、歌舞伎とか、所作に関してひとつ一つ歴史があったり、意味があったり。改めて深く偉大な世界だなと…僕自身は知らないことばっかりで。10代の頃の演劇少年に戻ったようで、新鮮な毎日でお稽古しています。中村仲蔵をやり遂げなければいけないなと…とにかく(世の中)嫌なことはたくさんあるんですね。あたらしい年になって挑戦、歌舞伎関係者の方々には思うところもたくさんあると思います。この年になって手も足もでない、高い壁…殻を破って次のステップに行けるかも、非常にいい経験になるんじゃないかなと思います。精一杯やっていい芝居を作りたいと思います」

市原隼人「蓬莱さんの演出、素敵な共演さんとご一緒できるのを嬉しく思います…初代市川八百蔵と謎の侍、酒井新左衛門、2役を演じます。現時点で楽しめるような余裕は一切ない、真剣勝負、本格的な稽古の前に歌舞伎界300年の歴史、重鎮のところに弟子入りし、毎日稽古を…2月に向けて、作品の世界に埋没したい」

浅香航大「中村伝蔵を演じます。お恥ずかしいのですが、歌舞伎はあまり詳しくはないのですが、歌舞伎は伝統芸能であり、難しいイメージが僕自身もあります。歌舞伎役者の舞台裏の事情だったり、想像がつきにくいと思います。作品を手に取って、そうしたら歌舞伎のことがよくわかっている気持ちになって…そのくらい…舞台を見てくださるお客様にもそう思っていただけるように稽古に励んで、頑張って行きたい」

尾上紫「志賀山お俊を演じます。素晴らしい方々とご一緒…今、緊張しております。中村仲蔵、当時、名を轟かせた、そういった驚き、お芝居を見にいらっしゃるお客様と一緒に感じさせていただく…この舞台、とても楽しみ、その中に自分が入っていく、ドキドキして今も何を喋っていいかわからないくらいです。素敵な方達、どんな舞台になるのか想像がつかない楽しさ…私の役は怖い役です」

今井朋彦「金井三笑(中村座の帳元金井筒屋半九郎の子。帳元として辣腕をふるうが、狂言作者へ転身)を演じます。作家で…あまり詳しいことは…中村仲蔵を敵に回すと…劇場に入る時は温かく(笑)。」

髙嶋政宏「四代目市川團十郎を演じます。ジョン・レノンさんが歌舞伎座によく来てた…話を聞いたのがきっかけで歌舞伎が好きになったのですが、そこから猿之助さんの千本桜、ケレン味、最前列で見てて…歌舞伎にのめり込んだ20代、30代、そんな中にドラマ版のお話がきて、撮影が終わった時は本当に悲しくって。そうしたら、この舞台のお話、一も二もなく、即『やります!』、この場にたてて本当に嬉しい、役が四代目市川團十郎…所作を習いに行ったんです、その時に初めて踊らされました(助六)。これがものすごく!子供の頃から歌舞伎はやってないので開き直って!ぶつかっていきたいと思います」

また、俳優としての生き様とリンクすることについて藤原竜也は「小さい頃から厳しい演劇生活を送ってきました。這いつくばってもがいて苦しんで、それでも上に行かなくっちゃ、なかなか行けない。ずっとどんよりした空気がリンクするのかも。セリフで「この先に何があるのか…見てみたい」というのがあるのですが、自分の中でもかつて、なんのために演劇やってるのか…ひょっとしたら、大きなことを言えませんが、仲蔵をやって、稽古を経て、引っかかっているものが少しでも晴れるような、新しいものが発見できるきっかけになれば」と語り、髙嶋政宏は「デビューしたての頃はど素人で何もできないのだなと。四代目市川團十郎、僕なりにはいい感じなんだけど、腹黒く…乞うご期待」とコメント。

自分でチャレンジして道を切り開いた経験は?と問われて市原隼人は「常に現場で…8割カットされたとしても、2割…作品の意図を汲んで、自分は何をすべきか、自分なりに見つける」とコメント。浅香航大は「舞台かなと思ってます。今年の初めに久々に舞台…今回、素晴らしいキャスト、皆さんと、藤原竜也さんと同じ舞台に立てる、新しいことに挑戦」と。

また芸を磨くためにやっていること、ということで、尾上紫は「感謝すること、謙虚でいること、拘らないこと、余計なことにこだわりすぎていると、新鮮な目が曇ってしまうので、こだわりすぎず、柔らかい心と体でいたい」今井朋彦「なるべくきちんと生活すること…ちゃんと食べてちゃんと寝て、きちんと崩さずにやっていくことが繋がるかなーと。あとは人に磨いてもらうことが多いような気がして。現場できちんと、まともに向き合う」と回答。

最後にPR、藤原竜也は「結果が全てなので、初日に向けてたくさんの温かい拍手をもらえるように精一杯真面目に稽古をして、いい舞台を。ぜひ劇場に足を運んでもらいたいなと思います」と締めて会見は終了した。

ストーリー
時は江戸時代中期、舞台は歌舞伎の黄金期を迎えようとする芝居街・日本橋堺町。江戸三座と称される劇場や芝居茶屋がひしめくこの芸能の町に、一人の孤児が運命的に流れ着く。
中村座で唄方をつとめる男と、振り付けを教える女の夫婦に養子に貰われたこの孤児こそ、歌舞伎史上不世出の天才役者と呼ばれるようになる初代中村仲蔵(藤原竜也)である。養母の厳しい稽古で踊りの才能を開花させた仲蔵は、役者として舞台に立つ夢を膨らませるが、血筋がものをいう歌舞伎界の高い壁が立ちはだかる。しかし芝居に取り憑かれた若者は、無謀にも最下層の大部屋役者から成り上がる下剋上の道を選んだ。歌舞伎界の頂点を巡って裏切りや策謀が渦巻く舞台裏の抗争に巻き込まれつつも、ひたすら芸の道を疾走する仲蔵。しかし彼を待っていたのは苛烈な“楽屋なぶり”だった。

概要
舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』
キャスト
藤原竜也
市原隼人
尾上紫
廣田高志
植本純米
古河耕史
斉藤莉生
今井朋彦
池田成志
髙嶋政宏 ほか
スタッフ
脚本:源 孝志
演出:蓬莱竜太
主催・企画制作:ホリプロ
期間会場:
東京:2024年2月6日(火)~2月25日(日) 東京建物Brillia HALL
広島:2024年2月29日(木)~3月1日(金) 広島文化学園HBGホール
名古屋:2024年3月7日(木)~3月10日(日) 御園座
宮城:2024年3月15日(金)~17日(日) 東京エレクトロンホール宮城
福岡:2024年3月22日(金)~24日(日) キャナルシティ劇場
大阪:2024年3月27日(水)~3月31日(日) SkyシアターMBS

公式HP:https://horipro-stage.jp/stage/nakamuranakazo2024/

© 株式会社テイメント