ハマス、拠点で「支配喪失」 イスラエル強調、戦闘休止交渉か

ガザ北部で展開するイスラエル軍の兵士たち=8日、ガザ(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍は8日夜、地上侵攻を強めるパレスチナ自治区ガザ北部から南部に多くの住民が避難しているとし、イスラム組織ハマスが、拠点にしてきた北部の「支配を失った」と強調した。ただ、南部への空爆が伝えられており、ガザ保健当局は過去24時間の犠牲者の49%は南部で被害に遭ったと表明した。

 ロイター通信によると、ハマスが10~15人の人質を解放する代わりに、イスラエルがガザでの攻撃を1~2日休止する交渉をカタールが仲介している。エジプトなどの複数メディアも一部人質の解放を条件とする人道目的の戦闘休止の交渉が進んでいると伝えた。

 イスラエル軍は8日、北部住民に南部に避難するよう5日連続で通告。国連パレスチナ難民救済事業機関によると、5日間で少なくとも4万人が南部に向かった。

 ロイターによると、ターク国連人権高等弁務官は8日、ハマスの奇襲とイスラエルの軍事作戦の双方を「戦争犯罪だ」と非難した。

 戦闘の死者はガザ側が1万569人。イスラエル側を合わせ計1万1900人以上となっている。

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