林遣都が「もはや先輩というか先生」と上野樹里に最敬礼!

人間の姿そっくりの姿をした【惑星難民X】を受け入れた日本を舞台に、X疑惑のかかる女性と真実を探る記者の姿を描くミステリーロマンス『隣人X -疑惑の彼女-』(12月1日公開)。11月8日には都内映画館にて完成披露上映会が実施され、主演の上野樹里、共演の林遣都、そして熊澤尚人監督が参加した。

X疑惑をかけられる主人公・柏木良子を演じた上野。約7年ぶりの映画主演作だけに「懐かしいですね~」と満席の観客をしみじみと眺めながら「最近は『のだめ』で舞台に立っていたのですが全然違います。皆さんのことがよく見えます!全員のこと見えていますよ~!素晴らしいです!」と喜色満面だった。

一方、良子を追う週刊誌記者・笹憲太郎役の林は初共演の上野について「お会いした初日から作品や役への取り組み方がカッコよくて、第一印象でこの人と撮影期間を過ごせるのが楽しみだと思った」と絶賛すると、上野は「すぐ隣で聞いていると緊張します…。査定を受けているみたいで」と照れ笑い。そんな上野も「身体表現が凄くて、リハーサルの動きを見て安心感がありました。しっとりした内容の映画ですが、皆さんに楽しんで観てもらえるものになると確信しました」と林に全幅の信頼を寄せていた。

一方、映画『ダイブ!!』以来約15年ぶりに林とタッグを組んだ熊澤監督は、劇中での林の髭面に触れて「林君は髭が似合う。昔から髭を生やすとカッコいいという思いがあった」と見どころをアピール。これに上野も「遣都君に髭のイメージはなかったけれど色っぽい。冴えない生活を送る良子が笹からナンパされるというドキドキシーンもあるので、遣都君ファンは良子の気持ちになってハラハラドキドキを楽しんでほしい」とプッシュしていた。

上野と熊澤監督のタッグは『虹の女神 Rainbow Song』以来17年ぶり。熊澤監督が「台本を書いているときから、これは上野樹里がやらないと絶対に良くならないと思って初期の段階から脚本を送っていた」と起用の経緯を振り返ると、上野は「隣人なのにXという得体のしれないワードのタイトルが気になったし、SNSが発達して便利になる一方で人の心の中が見えなかったり、コロナ禍でマスクをして表情が見えにくくなったりとかがある中でこのタイトルに惹かれました。この世の中を自分はフィルターをかけずに見られているのだろうか?という問いを今の世の中に伝えられる作品になると思ったので、監督とは沢山の打ち合わせをさせてもらいました」と全力で作品に向き合ったと自負。熊澤監督も「上野さんから電話をいただいてそこで2時間くらい話して、その後に8時間くらい連続で打ち合わせ。上野さんの台本にはたくさんの書き込みがしてあったので、そのアイデアを消化しながら脚本を書き直す作業を2年間くらい続けました」と熱のこもった共同作業を振り返っていた。

この2人の熱意に林は「ここまで詳しく聞いたことがなかったので驚いた」と感心しながら「上野さんとの初顔合わせの際も本読みやリハを8時間くらいやりました。本来その日は『みんなで食事でも…』というスケジュールだったけれど、それも中止になりました。でも僕も芝居で突き詰めなければいけないことがあればゴハンを食べずに次の日までかかってもいいというタイプなので、それを実行している方に初めてお会いして感動しました」と上野の俳優としての姿勢をリスペクト。当の上野は林から「プロフェッショナルな方で第一印象から良かった」などと褒められるも「普通、第一印象悪いよ!」と大笑いだった。

また「撮影を通して知ったお互いの意外な一面」を聞かれると上野は「真面目だけれどいい意味での不良性を持っている方。それを自制して生きている感じがある。ふとしたときにその不良性のエネルギーがばっと放出した時にどうなるのか?そんな魅力を持った人だと思った」と林を分析。一方、林は「すべてにおいて想像を超えて凄い人だと思った。撮影中は私生活の話をしたりして、気づいたら人生相談になっていました。上野さんは撮影中もご飯を自分で作って常備食とかもやられていて。私生活がしっかりされているのが言葉やお芝居に現れている。もはや先輩というか先生です」と最敬礼だった。

最後に主演の上野は「映画を観て現実に戻った時に、自分も笹のように世の中の見方の角度を変えて見た方が良いのではないかと思ったり、これまでの自分の価値観を振り返るような瞬間があるのではないかと思います。また前半には良子と笹の恋が徐々に発展していくハラハラドキドキもあるので、最後まで楽しんで観てもらえたら嬉しいです」とアピールしていた。

◆『隣人X -疑惑の彼女-』
12月1日(金)新宿ピカデリー他 全国ロードショー
(C)2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 (C)パリュスあや子/講談社

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