中学生が安全サミット 茨城・水戸で12日 G7控え大人へ提言 事故ゼロや地域医療充実を

「中学生安全サミット」に向け、発表練習に励む水戸市立赤塚中の生徒たち=同市河和田

茨城県水戸市で12月8日に開幕するG7水戸内務・安全担当相会合を前に、市内の中学生らが参加する「Mito16 中学生安全サミット」が12日、市民会館で開かれる。安心安全をテーマに、交流サイト(SNS)の危険性や交通事故ゼロなどを呼びかける企画で、各校で熱のこもった準備が進んでいる。

同サミットは、市がG7会合を契機に子どもを主役にした舞台を用意しようと開催。市内中学校と義務教育学校全16校の代表者約70人が、SNSの危険性や地域医療の充実など、まちの安心安全について問題提起。生徒たちの宣言書と大人へ託す提言書をまとめる。

参加16校のうち、同市河和田の市立赤塚中では、いずれも2年の村井創さんと斎藤由依さん、池田聖さん、清水乙葉さんが参加。4人は「交通事故0を目指して~自分たちがすべき4つの基礎~」を掲げ、交通安全を呼びかける。

4人によると、同中学区内は都市計画事業が進んで住宅や店舗、道路が整備された半面、車の通行量が増加。中には道交法やマナーに違反した車両もあるといい、斎藤さんは「信号のない横断歩道で止まってくれず、速度も出ている」と指摘する。池田さんも事故増加を懸念。車を運転できない中学生にも身近な問題として、「クラスで話し合って事故ゼロをテーマに据えた」と話した。

4人は同サミットで、事前に調査した学区内の危険箇所マップや「ヘルメットを着用する」「自転車の並進をやめる」など、中学生向けに四つの「できること」を提案する予定。大人に求めることとしては、カーブミラー設置や信号機増設、車が見えにくくなる樹木の伐採などを求めたい考えだ。村井さんは「予算が必要なことはどうにもできない。大人の力を借りて事故ゼロを実現したい」と語った。

同校で8日行われたリハーサルでは、4人が交代でメッセージを読み上げ、写真などを提示しながら熱っぽく説明する姿が見られた。清水さんは「相手に伝わるよう気を付けて発表したい」と話した。

4人は「自分たちが考えた『安全』を県や市も考え、少しでも取り組んでほしい」と訴えるつもりだ。

サミットは12日午後1時半、市民会館ユードムホールで開かれる。

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