渋野日向子に正念場の緊張感「どういう結果であれ、受け止める」

「泣いても笑っても、この試合しかない」。渋野日向子は覚悟を決めて臨む(撮影/村上航)

◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 事前(8日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)

渋野日向子が逆転でのシード滑り込みをかけ、シーズン“最終戦”に臨む。年間ポイントレース(レース・トゥ・ザCMEグローブ)は、来季フルシードのボーダーライン80位に3.049pt及ばない81位。今大会でのポイント加算がマストになる。

「緊張感はあります」と立ち位置は理解している。初めて国内女子ツアーにフル参戦した2019年はシーズン序盤の初優勝でシード争いとは無縁だった。2年前の米女子ツアー最終予選会(Qシリーズ)の2週目、第3ラウンドで「79」をたたいて一気に目安の20位圏外へはじき出された状況が近いともいえるが、「また違うじゃないですか、その時と。ほぼ初めての経験と言っても過言ではないくらい」と表情を引き締めた。

未知なるプレッシャーとの闘いは「全然楽しみではないですけど…」(撮影/村上航)

未知なるプレッシャーとの闘いに「全然楽しみではないです」と苦笑いで本音を漏らしつつ、腹をくくる。「こうなってしまったのは自分のせいなので。どういう結果であれ、受け止める気持ちは持っているから、やるだけやるって感じです」

アジアシリーズで感じた悔しさを糧に「しっかりパーオンすることがポイント」(撮影/村上航)

アジアシリーズ4試合の反省を土壇場での力に変える。中国での初戦は出遅れが響き、韓国とマレーシアの2試合はいずれも3日目の大たたきで苦しくなった。4戦目、母国での「TOTOジャパンクラシック」も今季2度目となる4日間アンダーパーを記録した充実感の中に、もっとスコアの伸ばし合いについていきたかった思いが混じる。

飛距離を戻したい、もっと高い球を打ちたい、精度を高めたい…。ショット改善への課題意識ばかりが先行して心を乱し、ゲームへの集中力を高め切れていなかったかもしれないと悔しそうに振り返る。

「ボギーを怖がっている暇もない」と攻め抜く誓い(撮影/村上航)

「すごい後悔はしてますけど、でも、泣いても笑ってもこの試合しかないので。ホントに(現状のショットで)組み立てるしかないし、攻めるしかないから。初日からボギーを怖がっている暇もないですし、(予選)カットを気にしている暇もない。しっかり悔いの残らないように頑張って、4ラウンドできるように」

予選通過、ポイント加算がマスト。「悔いの残らないように」(撮影/村上航)

10月「ウォルマート NWアーカンソー選手権」から始まった7連戦目が背水の陣。前を向き、顔を上げて米ツアー2年目を戦い抜く。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)

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