店主「こんなにお客さんが来るとは」 沖縄唯一の銭湯「中乃湯」 15年ぶりの夜営業

 【沖縄】今年90歳を迎える店主の仲村シゲさんが一人で切り盛りしてきた県内で唯一残る沖縄市安慶田のゆーふるやー(銭湯)「中乃湯」は8日、新スタッフの鈴木花奈さん(31)が加わって約15年ぶりに夜の営業を再開した。この日は暦の上では冬が始まる「立冬」。夜になって気温が下がる中、中乃湯は仕事帰りの人や親子連れなどでにぎわい、仲村さん、鈴木さんと談笑しながら心も体も温まっていた。

 中乃湯の近所で育ち、子どもの時に通っていたという肥後レイ子さん(68)=岐阜県=は、夜の営業再開を知り駆け付けた。「同じ湯船に入ればみんな友達になる。心も体も温まった」と話した。

 30年来の常連、宜志政光さん(89)=沖縄市=は「これからも頑張ってください」と仲村さんと鈴木さんにオレンジのガーベラと黄色のバラをプレゼント。受け取った仲村さんは「夜にこんなにお客さんが来るとは思わなかった」とうれしそうに笑った。中乃湯は木、日曜日定休。午後2~10時。(中部報道部・屋宜菜々子)

15年ぶりに夜の営業を再開した「中乃湯」で風呂を楽しむ人たち=8日午後、沖縄市安慶田(竹尾智勇撮影)

© 株式会社沖縄タイムス社