彦根城のマツ100本に冬支度 こも巻きで「安堵の冬に」

マツの古木にこもを巻き付ける作業員ら(彦根市・彦根城)

 立冬の11月8日、彦根城(滋賀県彦根市)の風物詩・マツの「こも巻き」が城内で行われた。作業員らが中堀沿いや天守前広場などの古木約100本にこもを巻き付け、冬支度を整えた。

 青天の下、午前9時から城運営管理センターのスタッフ14人が2人一組で作業を開始。最高樹齢推定300年以上で、幹回りが最大2.6メートルもある「いろは松」の32本に、わらで作ったこもを手際よく取り付けた。

 センターの宮川敏明所長(57)は「コロナ禍前より来城者が増えている。今年は暖冬傾向だし、安堵(あんど)の冬になったら」と話した。

 こも巻きは、マツの葉を食べる害虫を冬季にわらに誘い込む伝統的な駆除方法。彦根城のこもは2024年3月の啓蟄(けいちつ)に外され、焼いて害虫を退治する。

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