イギリス国民に愛されたTV界の大スター、“ソープオペラの女王”ノエル・ゴードンはなぜ突然解雇されたのか?

『NOLLY ソープオペラの女王』© ITV Studios Ltd 2022

イギリスで1964年から4,500話以上に渡って放送され、全盛期は約1,500万人の視聴者を誇った伝説の連続テレビドラマ(ソープオペラ)『クロスローズ』のメグ役として、お茶の間で最も愛された女優“ノリー”ことノエル・ゴードンの突然の降板劇を描く伝記ドラマ『NOLLY ソープオペラの女王』が、12月1日(金)よりAmazon Prime Videoチャンネル上の動画配信サービス「スター チャンネルEX」で独占日本初配信が決定。また、「BS10スターチャンネル」では1月8日(祝・月)23時より独占初放送される。

ノエル・ゴードンの光栄と転落を描く

“ソープオペラ”とは連続ドラマシリーズのことで、石鹸会社提供の番組が多かったことが由来となっている。その『クロスローズ』の主役メグ・モーティマーとして人気を集めたのが、伝説の女優“ノリー”ことノエル・ゴードンだ。ノリーは、世界で初めてカラーテレビに登場した女性であり、お昼のトーク番組の司会を務め、テレビ局役員に就任した初の女性、そして英国首相に初めてインタビューした女性であった。まさに英国テレビ界のパイオニア的な存在で絶大な人気を誇り、全盛期には週10本の番組司会を務めた。

しかし、ノリーはキャリア絶頂期のある日、自身が看板であるはずの『クロスローズ』から突然降板を告げられる。本作は、彼女が絶望の中、新たな道を模索する晩年をユーモラスかつ感動的に描く。彼女は生涯独身であったが、本作では年下の共演俳優トニー・アダムス(オーガスタス・プリュー)とコメディアンのラリー・グレイソン(マーク・ゲイティス)という2人男性との深い友情が描かれている。また彼女は、LGBTQコミュニティと強い絆がありアイコン的な存在でもあった。

ドラマは1970〜1980年代のイギリスのテレビ黄金時代を振り返り華やかだが、当時のイギリス社会、特にテレビ業界での女性の立場の厳しさを描いている。ノリーは主役にも関わらず、突然クビになる。その理由を問いただしても答えはなく、彼女は激しく憤るのだが、後半明らかになる“降板理由”は、現代社会で生きる働く女性たちにも共感を与えることだろう。

ヘレナ・ボナム・カーターが伝説の女優を熱演

主演のノリーを演じるのは、『ハリー・ポッター』シリーズや『ザ・クラウン』『英国王のスピーチ』の名優ヘレナ・ボナム・カーター。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞など数々の賞にノミネートされてきたヘレナが、英国テレビ界のレジェンド、ノエル・ゴードン役に挑み、世界中のメディアから大絶賛を受けている。

『クロスローズ』の舞台がミッドランド地方のバーミンガムだったことから「ミッドランドの女王」と呼ばれ、赤色の髪、大きなサングラスに毛皮のコート、そして愛車のロールス・ロイスで登場するパワーウーマンのノリーは、まさにヘレナ・ボナム・カーターのハマり役。華やかさの裏に悲しみを隠した演技には心を打たれる。グラマラスなノリーの80’sファッションにも要注目だ。

辛口批評で知られる英ガー ディアン紙も「ソープオペラと年上女性、そしてショービズ界への温かく、優しく、ゴージャスなトリビュート。ノリーに恋をした」と絶賛。米映画評論サイト「Rotten Tomatoes」ではトマトメーター批評家100%、ユーザー評価88%という驚異的な数字を叩き出している。

脚本・製作総指揮は、『ドクター・フー』『2034 今そこにある未来』『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』など数々のヒット作を生み、高い評価を受けてきたラッセル・T・デイヴィス。『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』の製作チームが再度タッグを組み、ノリーとソープオペラへの愛が溢れる伝記ドラマを作り上げた。

予告映像では冒頭、ヘレナ・ボナム・カーター演じる伝説の女優“ノリー”ことノエル・ゴードンが人気ドラマ『クロスローズ』の撮影をする様子と華々しい活躍が映し出される。しかし事態は一変、ノリーは主演にも関わらず突然降板を告げられ、国中の大騒動に。ショックを受けつつも、友人たちに支えられ、ノリーの不屈の戦いが始まるのだが…。イギリス芸能史に残る降板騒動は何故起こったのか?

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