まさに“キングオブやさしさ” 期待を裏切らない芯の広さ「ゼクシオ 13 ドライバー」

注目の「ゼクシオ」シリーズ最新ドライバ―の性能は?(撮影/有原裕晶)

2000年に誕生した初代「ゼクシオ」。その後は2年に1度のモデルチェンジを続け、国内No.1ブランドへと成長していった。11月9日に発表されたばかりの「ゼクシオ 13 ドライバー」の特徴と前作からの進化について、クラブの知識が豊富なクラフトマン・ミタさんが解説。そして、アスリートゴルファーのヨシダくん(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)に試打してもらった。

クラブの特徴は?

【ミタさん】
今回紹介するのは、「ゼクシオ」の13代目ドライバーです。

【シオさん】
私は2000年に登場した初代を使っていましたが、甲高い「パーン」という打球音が印象に残っています

【ヨシダくん】
13代も続いているだけでもすごいのに、長年にわたって圧倒的な人気を誇っているのはさすがですね

【ミタさん】
近年では、米国や韓国での販売シェアが伸びているそうですよ。

【シオさん】
前作と見た目は似ていますが、どのような点が進化したのでしょうか?

「バイフレックスフェース」では、トウ側のフェース上部を丸くして剛性を強化。ヒール側は上部の丸みを抑えて、フェースの高さを確保している

【ミタさん】
そもそも、「ゼクシオ」シリーズのコンセプトは“やさしく、高弾道で大きく飛ばす”で、とにかくやさしいことが魅力です。13代目のテクノロジーをわかりやすく言うと、フェース面の芯を広くした上で、芯に当たりやすい設計になっています。

【ヨシダくん】
これまでのモデルも芯が広かったように思いますが、どうやってさらに広くしたんですか?

【ミタさん】
今作ではトウ側とヒール側でそれぞれフェース上部の丸みとヘッド剛性を最適化した「バイフレックスフェース」を新たに搭載しました。例えるのであれば、トランポリンのようにフェース周辺部は剛性を高め、フェースを薄肉化することで、フェースとボディともに大きなたわみを生み、ボール初速がアップするという構造です。

【シオさん】
ミスヒットに強そうなヘッド設計ですね。ちなみに、前作からクラウンに搭載された翼(アクティブウィング)は継承されていますか?

「ゼクシオ 12」(左)と「ゼクシオ 13」(右)。アライメントデザインやアクティブウィングの形状が変わっている

【ミタさん】
はい、今作にも搭載されています。そもそも、前作に搭載されたアクティブウィングはダウンスイングの空力をコントロールすることでヘッドの挙動を安定させるテクノロジーでした。今作では2段式に進化し、ダウンスイング前半ではヘッドのブレを抑制、ダウンスイング後半ではトウダウン現象を防いで、打点が安定する設計になっています。

【ヨシダくん】
正直に言うと、空力ってよくわからないんですよね…。本当に体感できますかね?

【シオさん】
それを確認するためにも、打ってみましょう!

試打した印象は?

構えるとヘッドは丸形でややフックフェース。自然とボールがつかまりそうなイメージが湧く

【シオさん】
クラウンのアライメントデザインがスッキリして、アドレスしやすくなりました。2段になったアクティブウィングは前作よりも目立たなくなって、構えても違和感はありません。ただ、ポンと置いた時にフェースアングルがフックに見える点が少し気になります。

【ミタさん】
打った印象はどうですか?

【シオさん】
やっぱり音がいい! 昔のような「カキーン」という金属音ではなく、爽快だけど落ち着きのある心地良い打球音になっています。ただ、音の印象と手に伝わってくる感触が少し異なる感じがしました。音だけだと物すごいスピードで飛んでいきそうな印象を受けますが、実際の打感はフェース全体が球を受け止めて、ふわっと優しく飛ばしてくれるような感じでした。

【ミタさん】
徹底的に打球音を研究し、ヘッド内部にサウンドリブをつけることで“ゼクシオサウンド”と言われる高音で伸びのある打球音を実現しています。

シオさんとヨシダくんの「ゼクシオ 13 ドライバー」(10.5度)試打データ

【ヨシダくん】
飛距離はどうでしたか?

【シオさん】
うーん、85点くらいですかね。「ゼクシオ」はやさしさを重視しているので、バックスピン量が多めになる傾向です。打球は上がりやすいですが、飛距離は伸びにくいのかなと思います。

【ヨシダくん】
私が打ってみても、ボール初速は70m/s近く出ていましたが、バックスピンが3000回転を超えてしまいました。シャフトのスペックも含めて、ヘッドスピード50m/sのゴルファーが打つドライバーではなさそう…。でも、打感はとても良かったです。

【ミタさん】
ニューアクティブウィングの効果は感じましたか?

ふたりともアクティブウィングの効果は体感できなかったが、安定した弾道が打てたと語っていた

【ヨシダくん】
空力による効果は分かりませんでした。ただ、ダウンスイングで良い角度からヘッドが入ってきて、振り感とスイング軌道は安定していました

【シオさん】
飛距離性能は100点満点ではないけれど、1球目からナイスショットが打てました。芯が広くて、何球か打ってみても弾道が安定していたので、練習しなくてもラウンドで使えそうです。

純正シャフトは13代目が「MP1300」(上/40g)、12代目が「MP1200」(下/41g)。ゼクシオシリーズ専用設計でヘッド性能に合わせてシャフトも進化している

【ミタさん】
1球目から打ちやすかったのはシャフトの影響も大きいと思います。「ゼクシオ」シリーズは代々、純正シャフトの開発に力を入れていて、シャフトメーカーにも負けない技術を持っています。さらにヘッドに合わせて、シャフトの剛性を決めることができるため、ヘッドとシャフトの相性は抜群です。

【シオさん】
1球目はもちろん、2球目も3球目もナイスショットが打てました。正直、ここ数年の「ゼクシオ」はあまりピンときていませんでいたが、今年の「ゼクシオ 13」は久しぶりに使ってみたいなと思いました。

まとめ

打点ブレに強く、弾道の曲がり幅が少ない。心地よい打感と打球音で高弾道が打てる

【ミタさん】
ゼクシオらしい進化を遂げた「ゼクシオ 13 ドライバー」。左右のミスヒットに強く、打球も上がりやすいため、やさしさはトップクラスといえるでしょう。歴代のゼクシオユーザーに加え、練習量が少ないヘッドスピード35~40m/sのゴルファーにおススメしたいです。普段あまり練習に行けないけれど、仕事の都合で年数回ラウンドに行くような方にとって、ミスヒットを新フェース設計がカバーしてくれるため、練習不足を気にせずにゴルフを楽しめる一本だと思います。

【シオさん】
数十年のブランクを経て、久々にゴルフを再開しようと考えている方にもピッタリだと思います!

■試打したクラブのスペック
ダンロップ ゼクシオ 13 ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:ゼクシオMP1300 ●硬さ:S

ダンロップ ゼクシオ 13 ドライバー

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