歌舞伎初挑戦の藤原竜也、“われらの市原隼人”に期待することは「どこで脱いでくれるのか…」

俳優の藤原竜也と市原隼人が11月8日に都内で行われた、舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』の製作発表に和装姿で登壇。歌舞伎初挑戦の意気込みや作品への心境を語った。

本作は、江戸時代中期に実在した歌舞伎俳優・中村仲蔵(なかむらなかぞう)の、波瀾(はらん)万丈な人生を題材にした痛快エンターテインメント。2022年にはドラマ化され、2022年度文化庁芸術祭テレビドラマ部門の大賞を始め、数多くのテレビ賞を受賞した。劇中では、新たな視点でオリジナルの舞台戯曲として書き下ろされ、厳しい階級制度の江戸歌舞伎界で、仲蔵が努力と才覚と不屈の精神で大スターへとのし上がるさまが描かれる。

■藤原竜也 舞台で歌舞伎初挑戦「10代の演劇少年に戻ったような気持ち」

主演を務める藤原(中村仲蔵役)は本作について「同じ座組で、つい先月ぐらいまで舞台『ハリー・ポッター』という作品をやっていたんですけど。全く違う世界で、かすりもしない世界の作品を企画してもらってうれしく思います」とファンタジーから歌舞伎の世界に移る作品のギャップに笑いを誘った。

そして、本作で演劇として歌舞伎に初挑戦する藤原は、「事前稽古を始めさせてもらっています。歌舞伎とか、踊り、所作に関しても一つ一つ歴史があったり、意味があったり、改めて深く偉大な世界だなと驚いています」と歌舞伎の深さを語り、「僕自身も知らないことばっかりで、10代の演劇少年に戻ったような気持ちで新鮮な毎日で稽古をおくっています」と心境を明かした。

藤原竜也

さらに藤原は「(稽古は)協力してもらいながら、この作品で中村仲蔵をやりとげられれば良いなと」と意気込みを話し、「もう一つ、期待としては…われらの市原隼人くんがどこで脱いでくれるのか(笑)それがもう…期待してます」と話す冗談に、隣に座っていた市原は照れ笑い。

左から市原隼人と藤原竜也

続けて、「とにかくやることがたくさんあって、逆に我々うれしいです。この歳になって新しいことに挑戦し、高い壁に挑むことは、自分たちの殻を破って次のステップに行くために非常に良い経験だなと思いながら稽古をしています。来年2月になりますが精一杯やって良い芝居を作りたいと思います」と意気込みを語った。

■市原隼人 約3年ぶりの舞台「真剣勝負という言葉がしっくりくる」

約3年ぶりに舞台に立つ市原は、中村仲蔵の兄弟子・初代市川八百蔵と謎の侍・酒井新左衛門の2役を演じる。市原は「現時点で私自身、この作品を楽しめる余裕は一切ございません」と話しはじめ、「それほど真剣勝負という言葉がしっくりくる作品になります」と作品への心境を明かした。

役に対する熱意を語る市原隼人

演じることについて市原は「皆さんの稽古が始まる前に個人で300年の歴史を持つ歌舞伎界の重鎮の方に弟子入りをして、他の作品の仕事の合間をぬって、毎日稽古と三味線をやっています。2月の公開に向けてしっかりとお客さんを埋め尽くせるように、作品の世界に埋没して努めてまいります」と役に真っ直ぐに向き合う、市原らしい熱い意気込みを語った。

■“中村仲蔵と藤原竜也”の俳優人生でリンクするところは?

本作は“中村仲蔵”という1人の俳優の生き様を描く物語。自身の俳優人生とリンクするところを聞かれた藤原は「自分で言うのも恥ずかしいですが、小さい頃から厳しい演劇生活を送ってきましたから、もがいてもがいて苦しんで、それでも上に行かなくちゃいけない。ずっとどんよりした空気は不思議とリンクするところがあると思います」と自身の俳優人生を振り返った。

来年2月の初日に向けて意気込みを語る藤原竜也

最後に藤原から「結果が全てなので、とにかく来年2月の初日に向けて、お客さんの温かい拍手をもらえるように精一杯まじめに稽古と向き合って良い芝居を作っていくだけだと思っています。ぜひ劇場の方へ足を運んでもらいたいなと思っています」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。

舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』 HPはこちらから

■公演:2024年2月6日(火)~
■出演:藤原竜也、市原隼人、浅香航大、尾上紫、廣田高志、植本純米、古河耕史、深澤嵐、斉藤莉生、今井朋彦、池田成志、髙嶋政宏 ほか

写真:©entax

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