【ボートレース基礎知識】初心者には難しい「ピットアウト」と「待機行動」とは?『究極のボートレースガイドブック』

ボートレースの基礎知識

まず初めに〝ボートレース〟とはいったいどんなものなのか、初心者のあなたにもわかりやすく説明します。知れば知るほど、水上の格闘技・ボートレースの底知れない魅力へ引き込まれていくことでしょう。これであなたもレッツ!ボートレース!

事前に決められた番号のボートでレースをする

まず、1~6の枠番が振り分けられた各選手は、内側から1号艇、最も外側が6号艇でピットという待機場所にいます。そこから合図のあったタイミングでピットを出ます。これをピットアウトといいます。実はこの飛び出すタイミングが大事。ボートレースは事前に枠番は決まっていますが、コースはルールの範囲で自由にとることができるのです!

まずはこのピットアウト! この良し悪しをレーサーやファンの方は「ピット離れが良い(悪い)」といいます。ピット離れが良いと外の枠番の人も内側のコースを取ることができたり、逆にピット離れが悪いと内側の人が外側のコースに回されることもあります。???なんだそれは!?と思う方が多いと思います!ボートレースを初めて見る人にとって最も難解なところがまずはここですね!

勢いよくピットアウトしたと思ったら、すぐにスピードを落としてボートがゆっくりゆっくり進んでいく。「何をしているの? まだ始まってないの?」と、初めてレースを見る人はよくわからなくなるはずです。このゆっくりと進む時間からスタートするまでを「待機行動」といいます。この時間がコースを取るための時間なのです。だいたいピットアウトしてからスタートするまでの時間は1分40秒~2分未満です。その間にコースを自由に取ってレーサーは自分のスタート位置を決めます。ここからスタートラインに向かう状態のことを「進入」といいます。

ルール上は6号艇のレーサーが内側をとってもいいのです。待機行動はルールの範囲でコースを自由に取り合っている時間なのです。

ボートレースの用語

『ピット』

ピットとはボートを綱でつなぎ停めておく場所で、本番ピットと展示ピットに分かれています。展示航走と呼ばれる練習時にピット離れが良くても、本番でピット離れが良いとは限りません!本番も展示どおりのピット離れなのかを考えるのも予想の楽しみの一要素。

1節間のレース開催中にピット離れが悪い選手と良い選手とがはっきりすることもあるので、展示からピット離れはしっかりチェックしておきましょう!ピット離れが悪いのは、モーターの回転が上がり切っていないとき、また伸び寄りの調整をしているときに起こりやすいと言われています。頭に入れておきましょう!

【出典】『究極のボートレースガイドブック』著:西野精治

【書誌情報】
『究極のボートレースガイドブック』
著:西野精治

近年、コロナ禍の影響もあり公営ギャンブル市場は毎年のように売り上げを伸ばしています。スマートフォンの普及で手軽に参加できることもあり、今やバブル期の売り上げを上回る状況となっています。この公営競技の中でも最もファンや売り上げを伸ばしているのがボートレース(競艇)。公営ギャンブルと言えば中央競馬(JRA)を思い浮かべる人が多いはずです。たしかに昔から競馬ファンは多く、馬券の売り上げが全公営競技の中でダントツに大きかったのですが昨今は状況が変わりつつあります。ボートレースの人気は急上昇、舟券の売り上げは2兆4142億円(2022年度)と約3兆円の中央競馬に肩を並べるまでになっていて、新規のボートレースファンが増加していることを示しています。とはいえ、初心者にはどうやってボートレースを予想していいのかが分からないのも事実。最初は誕生日とか好きな番号、好きな色、カッコいい選手などの理由で舟券を買うのもありですが、ずっとそのレベルではボートレースを本当に楽しめているとは言えないでしょう。本書はその域を脱して「選手の実力」「有利なコース」「レース展開」「モーターやボートの性能の見極め」などを知ることによって、「自分でレースの予想、推理」ができるようになることを伝授する1冊です。著者の永島知洋氏は「ボートレース楽しむプロ」としてほぼ毎日のようにテレビ番組やYouTubeのレース配信番組でボートレースの面白さ、楽しみ方を身をもって示している人です。小難しいことは抜きに「興味はあるけど専門知識ゼロの人が、とりあえず舟券を予想できてレースを楽しめるようになる」をコンセプトに書き下ろした1冊です。

© 株式会社日本文芸社