東京唯一の村・檜原村発!“ひのはら愛”が詰まった「じゃがいも焼酎」がアツい

東京で造られる「じゃがいも焼酎」をご存知ですか?

「じゃがいも焼酎」と聞くと、北海道清里町を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、東京都(島嶼部である伊豆諸島や小笠原諸島を除いて)における唯一の村 『檜原村』。土地の93%が森林という豊かな自然に囲まれるこの地域にも、特産品の1つであるじゃがいもを使った「じゃがいも焼酎」があるんです。

その名も「ひ乃はら物語」──

口当たりは柔らかく、ほのかに舞うお芋らしい甘味と柔らかさ。そして、素直でスッキリとした余韻を残してスゥッと体に沁み入ります。炭酸で割ってハイボールにすれば、そのスッキリ感・飲みやすさにより一層拍車が掛かること請け合いです。

今回はこの“メイド イン ヒノハラ”、「ひ乃はら物語」に関わる人と施設をご紹介します。

檜原村の長年の想いが結実した『ひのはらファクトリー』

「さつまいもで焼酎が作れるのだから、じゃがいもでも焼酎が作れるはず。じゃがいもを焼酎にするための工場を村内に作りたい」

檜原村の村長である坂本義次さんがそう思い描いたのは、もうかれこれ20年以上も前のこと。

その長年抱き続けていた想いが具現化されたのが、こちらの『ひのはらファクトリー(じゃがいも焼酎製造等施設)』なのです。

施設に一歩足を踏み入れると、ふわぁっと木の香りに包まれました。そして、視界に入ってくる館内はなんともやさしい表情・世界観で、自然と癒しを覚えます。

2021年7月にオープンした当施設は、檜原村産の素材を使った各種加工品の直売・産直や、それらをいただけるカフェスペース。さらに、焼酎の製造も見学できる施設になっています。

“ものづくりから未来を”

この『ひのはらファクトリー』の施設をデザインし運営を行なっているのが、株式会社ウッドボックス・東京檜研究所(以下、ウッドボックス社)。

“ものづくりから未来を”という理念に基づいた+F Foudation(プラスFの基盤) ── Forest(森から・伝統)、Future(未来と・革新)、Freedom(自由と・和の心)── をコンセプトに、とことんこだわったものづくり・デザインをされている会社です。

そんなウッドボックス社のフラッグシップ商品は、「エッセンシャルオイル」。檜原村産の檜(ひのき)を使用しています。このエッセンシャルオイルを世界に大きく羽ばたかせるべく、現在北米への販路開拓に向けた準備が着々と進められています。

また、同じく檜原村産の檜を使った「マスクケース」。2020年、コロナ禍に販売されたこちらの商品は4万枚を超える大ヒットを記録しました。

これら“メイド イン ヒノハラ”の商品販売において実績を積んだウッドボックス社は、焼酎製造工場の指定管理者に選定され、現在『ひのはらファクトリー』の企画運営を担っています。

多大な支援をしてくださる村の皆さんに感謝の言葉を述べつつ、「まずはエッセンシャルオイルを足掛かりに、今後は焼酎も世界に向けて販売していきたい」とは、ウッドボックス社のデザイナーであり代表も務めていらっしゃる吉田光世さん。ウッドボックス社はいま大きな夢に向かって突き進んでいる最中なのです。

『ひのはらファクトリー』のじゃがいも焼酎造り

吉田さんは、じゃがいも焼酎「ひ乃はら物語」を造る杜氏も担っています。社長であり、デザイナーであり、杜氏でもある訳です。ちなみに、吉田さんが焼酎造りを学んだのは『青ヶ島』。伊豆諸島に属する最南端の有人島です。島の特産品「あおちゅう」は、その製造工程のほとんどを人の手で行っている、青ヶ島で昔から長年造られている焼酎です。

吉田さん曰く、「焼酎造りは誰でもできるんですよ」と。

「あおちゅう」は青ヶ島の家庭料理の1つなのだそうで、「お母さんたちが旦那さんのために自分の手で造るんです」というお話は非常に興味深いもの。ふと“愛が篭ったものづくり”という言葉が頭に浮かび、同時に青ヶ島とウッドボックス社の姿が重なります。

ちなみに、吉田さんたちが扱うじゃがいもは、もちろん100%檜原村産。品種は男爵やメークイン、キタアカリ。そして、希少な「おいねイモ」など多岐に渡ります。これらと檜原村の清らかな水を使って焼酎にしていきます。その量、最大6.5klまたは毎年約3klほど。

なお、冬は−6℃にもなる檜原村のじゃがいもの収穫時期は、7〜8月の年1回のみ。土壌の水はけの良さが高い品質を保ってくれるのだそうです。収穫後、年末年始に向け約4ヶ月をかけて焼酎を仕込んでいきます。

『ひのはらファクトリー』内では、焼酎造りの様子をガラス越しに見学することができます。

決して大きな機械設備は無く、より身近な作業であるかのような感覚を覚えてしまうのは、「青ヶ島の人の手による焼酎造り」にルーツがあるからでしょうか。

なお、片道1〜2時間ほどかけて通ってらっしゃる従業員の方もおられるそうで、それはひとえに愛情や情熱があってこそ。その対象は、焼酎や檜原村そのものに他なりません。

こちらは、売店の店長を務める小林澄雄さん。ここ檜原村の出身で、実家は酒屋さんを経営されていたのだそうです。施設内設備や醸造工程のことなど、諸々丁寧に説明してくださいました。

地元檜原村の出身の方だからこそ、檜原村と真摯に深く向き合っている皆さんだからこそ聞くことができるお話は貴重なものばかり。いままで知り得なかった東京の柔らかくやさしい表情、その一端を垣間見ることができる瞬間が、ここ『ひのはらファクトリー』にはありました。

ひのはら愛が溢れる“メイド イン ヒノハラ”をぜひ感じてみてください!

ウッドボックス社の皆さんが手掛けるじゃがいも焼酎「ひ乃はら物語」は、スタッフの皆さんたちの“手”で造られています。この“メイド イン ヒノハラ”を、ぜひ一度ご賞味いただきたく。

そして、東京の最西部にある癒し処『ひのはらファクトリー』へ。

檜のやさしい香りに包まれにいらしてください。

ひのはらファクトリー 公式HP

ひのはらファクトリー

〒190-0200 東京都西多摩郡檜原村4023-1

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*取材・文・撮影:ヤマネコ

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*この記事は2023年10月時点の情報を基に作成しています。

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ライター:多摩観光推進協議会

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