石川遼は終盤にグリーン“克服” ラウンド後アンバサダーのお仕事も

石川遼はホストプロとして大会4勝目を狙う(撮影/高藪望)

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 初日(9日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)

折り返しの18番(パー5)、1m強のパーパットをカップ右に外した石川遼は2連続ボギーで1オーバーに後退した。「本当に悪い方向に行ってもおかしくなかった」という不穏な展開は後半に見どころがあった。続く1番で5mのチャンスを生かしてバウンスバック。5番では7Iでの2打目をピン奥20㎝につけるスーパーショットで、3つ目のバーディを奪った。

前年に続く連覇、史上初の大会4勝目を狙う戦い。首位の3人は4アンダーと混戦模様のリーダーボードを見て、石川は「トリッキーなピンポジションも多かった。7アンダーという選手がひとり、ふたり、どの大会でもいることが多いですけど、それだけ一辺倒(の攻め)ではいかない難しさがある」とうなずいた。1アンダー25位の滑り出しにもまずは及第点。「全体的な内容は悪くなかった」と3打差発進には安堵(あんど)した部分もある。

パッティングがしっくり来たのは終盤だった(撮影/高藪望)

後半3番(パー5)で2mのバーディチャンスを外すなど、取りこぼしもあった。「きょうは読むのが少し難しかった」と開幕前に降った雨の影響を感じさせない、硬く仕上げられたグリーンに苦戦。1Wショットのミスから2.5mを残したパーパットを沈めた6番以降、「ようやく自分がグリーンに合ってきた。基本的にきょうは(それまで)読み過ぎみたいなところが多かった」と終盤にかけてペースをつかんだという。

今年は御殿場も暖かい。富士山の雪化粧はまだ?(撮影/高藪望)

アマチュア時代の2007年から出場し、愛着ある大会。今年は6月に主催者の三井住友カードとスポンサー契約を結び、アンバサダーを務めることになった。この日はホールアウト後、ドライビングレンジで来場者向けのレッスン会(ゴルフクリニック)を開催しショットを放ちながらセルフ解説。「トークショーや一緒に写真を撮るのではなく、ゴルフクラブがあってこその僕。ゴルフを通した方が(自分を)表現できるし、(ゴルフ場が)自分にとって一番安心できる場所」と盛り上げにも一躍買っている。

2日目以降も神経をとがらせる(撮影/高藪望)

2日目は雨予報が出ており、コースコンディションの変化への敏感さも問われそう。「日曜日にどれくらい仕上がるか。今年の御殿場に対して、いかにアジャストしていくかが大事」とロープの内外でアンテナを張る。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

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