【福島記念/全頭診断】軸候補に「3.0.1.1」 雨予報で波乱必至か

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今週は福島競馬場で、第59回福島記念(GIII、芝2000m)が行われる。波乱傾向の強いローカルハンデ戦。雨予報も出ている今年は大荒れの可能性がありそうだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。

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福島記念 出走予定馬全頭診断

・アケルナルスター

直線急坂コースの成績【2.0.1.9】に対し、直線平坦コースは【2.1.1.2】。その条件にあたった近2走は馬券内を確保した。大マクリを得意とする馬だけに、非急坂コースかつ小回りの福島は歓迎。何らかの印は必要か。

・アナザーリリック

今年使われた2戦はいずれもフタ桁着順。厳しい。

・ヴァンケドミンゴ

かつての福島巧者も7歳を迎えピークアウトの感あり。変わり身は望み薄か。

・ウインピクシス

秋競馬では【2.1.1.0】と大崩れなし。そのなかには福島芝での勝利も含まれている。牡馬相手のここは距離延長ローテでもあるが、小回り向きの脚質からノーマークにはできない。

・カレンルシェルブル

馬券外が続く近走だが、上がり3F最速をマークしているように展開が向かなかったと捉えたいところ。重賞勝利実績を持つ逃げ馬が揃い、マクリ差しを得意とする馬もいるここはハイペース想定。稍重の成績【3.0.1.1】も日曜福島の雨予報を考えるとプラスに働きそうだ。

・カントル

7歳馬だが、今年2度の連対とまだまだ健在。とはいえ重賞では【0.0.0.5】と厚い壁に跳ね返されており、苦戦は免れられないか。

・グリューネグリーン

4着の前走は着順こそ悪くないが、勝ち馬とは1秒差。同世代のシルトホルンに0秒8差をつけられており、前進を望むのは酷に映る。

・シルトホルン

初の古馬相手となった前走オクトーバーS。前残りの展開を利してそのままなだれ込む形での連対をはたした。距離と道悪をこなしたのは大きな収穫。外枠だと厳しい印象も、ロスなく運べる枠なら侮れない。

・ダンディズム

タイプ的にはアケルナルスターと同じマクリ差し系の馬。5走前の関門橋Sは1000m通過56秒6の超ハイペースをマクリ差しで連対しており、同様の展開も見込めるここは軽視禁物だ。

・ダンテスヴュー

重→良馬場替わりの前走快勝。現状は良馬場が合っている印象で、道悪想定の日曜福島での連続好走は至難の業と言える。

・テーオーシリウス

芝で挙げた3勝すべてが逃げ脚質。典型的な行ってナンボ、という馬で前走は積極策が功を奏したのだろう。ここも同様の戦法が予想されるが、重賞勝利実績を持つ逃げ馬が揃ったメンバー構成。バッサリ消しの選択肢も考えられる。

・ナイママ

芝での馬券内は北海道の洋芝に限定。厳しい。

・ノースザワールド

3勝クラスを制したあとは強豪相手のレースを選択。そのなかで前走毎日王冠は勝ち馬と0秒4差に入っており、着実に力をつけてきている印象だ。4走前は重馬場での快勝。雨予報が出ている日曜福島の馬場コンディションは歓迎のクチだ。

・バビット

勝ち馬と1秒以上離される競馬が続く近走。復調にはもう少し時間がかかりそうだ。

・ホウオウエミーズ

この馬で強調したいのは道悪適性。全5勝を道悪で挙げている生粋の道悪巧者で、前走も得意馬場での好走だった。福島芝2000mは2走前に七夕賞3着あり。当時と同じ斤量54キロかつ道悪想定のここはチャンス到来だ。

・ユニコーンライオン

昨年のこのレース勝ち馬だが、その後は精彩を欠くパフォーマンスに終始。斤量59キロも楽ではないだろう。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月9日 18:01公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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