【武蔵野S/全頭診断】人気一角に「4.0.0.0」該当も……当日の馬場がカギ

Getty Images

今週は東京競馬場で、第28回武蔵野S(GIII、ダ1600m)が行われる。古豪と新勢力が相対するダート戦。逃げ馬多数の展開面も気に留めておきたいところだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。

◆【エリザベス女王杯2023予想/全頭診断】想定8人気以下に「2.0.1.0」 ”前走は参考外”の穴馬候補

武蔵野S 出走予定馬全頭診断

・ヴァルツァーシャル

掲示板外が続く現状。1800mへの距離延長時に見直したい。

・カテドラル

ダートを使われた2戦はいずれも掲示板外。厳しい。

・ケイアイシェルビー

オープンクラスの近2走は勝ち馬と0秒9差以上離される競馬。クラス通用にはもう少し時間がかかりそうだ。

・ステラヴェローチェ

久しぶりの実戦となった前走は7着も、4角2番手と一定の先行力は示していた。重賞級では芝路線での活躍馬が目立つバゴ産駒だけにダート適性は気がかりも、何らかの印は必要か。

・セキフウ

古馬になって以降の馬券内はローカル開催に限定。今年使われた中央場所は【0.0.0.3】掲示板内なしに敗れており、変わり身は望み薄か。

・タイセイサムソン

2走前にこの舞台で4馬身の圧勝。当時は道悪だったが、脚抜きの良い馬場では【3.0.0.2】と馬場コンディションが味方したのも事実だろう。東京は金曜に雨予報。雨残りの馬場が叶った際に評価を上げたい1頭だ。

・タガノビューティー

ダート重賞路線の常連と言える1頭。2走前はかしわ記念2着と、キャリアを重ねてジワジワと力をつけてきている印象を受ける。過去の武蔵野Sはいずれも掲示板外も、今年はハイペースが見込めるシチュエーション。近2走で見限るには早計だ。

・ドライスタウト

デビューから一度も掲示板外がない安定株。この舞台で施行されたフェブラリーSで4着なら及第点と言えそうだ。前に行く馬が揃ったここは、すばるSのように差す競馬が理想。そのレースが叶えば大崩れは考えにくい。

・ペリエール

この馬で強調したいのは馬場適性。国内の良馬場ダートでの成績【4.0.0.0】が示すように、パサパサに乾いたダートが合うタイプだ。良馬場なら中心視も可能だが、金曜に東京で雨予報が出ている点は気がかり。当日の馬場コンディションは気に留めておきたい。

・ヘリオス

逃げる形となった前走ペルセウスSは鮮やかな逃げ切り勝ち。現状としてはあのスタイルが合っているのだろう。ここも先手必勝といきたいところだが、同型馬がズラリと並ぶ組み合わせ。連続好走へのハードルは高い。

・ベルダーイメル

オープンクラスの馬券内のほとんどが人気薄という高配当メーカー。前走は12人気2着と、この舞台に対する適性を示した。9連対中7連対が左回りというサウスポー。再度の好走を警戒したい。

・ペースセッティング

初ダートの前走は2番手から抜け出し4馬身差の圧勝。ラスト1F11秒9と、切れ味を披露するオマケ付きだった。左回りのマイル戦は中京開催のシンザン記念2着あり。砂を被らない外めの枠からスムーズに運べれば差はない。

・マルモリスペシャル

オープンクラスでは【0.0.0.3】と厚い壁にぶつかっている印象。厳しい。

・メイショウウズマサ

オープンクラスでの馬券内は逃げる競馬に限定。同型馬が揃ったここは展開面で不利な印象は否めない。

・ライラボンド

2度使われたオープンクラスはいずれも勝ち馬と1秒以上の差。前進を望むのは酷に映る。

・レッドルゼル

2走前はこの舞台のフェブラリーSで2着。マイルの距離を克服した点は大きな収穫と言えそうだ。海外遠征帰りのローテーションが気になるところだが、中2カ月以上の休み明けは【5.3.1.1】と安定。主戦の川田将雅が乗らない点がどうかも、何らかの印は必要か。

◆【エリザベス女王杯2023特集】予想に役立つ馬券攻略ガイド 出走予定馬、予想オッズ、過去10年データ・傾向、追い切りetc.

◆【エリザベス女王杯2023予想】“第二のオンナ”に伸るか反るか……牝馬三冠世代に挑んだ3歳牝馬の記憶

UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月9日 18:00公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

© 株式会社Neo Sports