ガザ北部で1日4時間戦闘休止へ 民間人避難、「人道回廊」を設置

ガザ地区北部から南部に向けて避難する人々=9日、ガザ地区中部(ロイター=共同)

 【ワシントン、エルサレム共同】米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は9日、オンラインで記者会見し、イスラエル軍が地上侵攻を強めるパレスチナ自治区ガザ北部で民間人避難のため1日4時間の戦闘休止時間を設けると明らかにした。「最初の重要なステップだ」と強調し、連日の戦闘休止を必要な期間継続することが望ましいと語った。北部から南部に避難するための「人道回廊」が2カ所で設置されたとも述べた。

 一方、イスラエルメディアによると、当局者は戦闘休止について「戦術的、局所的」なものだと述べた。イスラエル軍は9日から戦闘休止を始め、その日の休止3時間前に住民に通告するという。ガザ北部ではイスラエル軍の市街地への侵攻により民間人の被害拡大が懸念されており、戦闘休止で人道状況が改善されるかどうかが焦点だ。

 米側の表明を受け、イスラエル首相府は9日、イスラム組織ハマスが人質を解放しなければ「停戦はない」と改めて強調する声明を出した。ガザ住民に北部から南部へ避難するよう要求した。

9日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで食料を求める子どもら(ゲッティ=共同)
米NSCのカービー戦略広報調整官=7日、ワシントン(ゲッティ=共同)
ガザ地区で地上侵攻作戦に従事しているとされるイスラエル兵(イスラエル軍提供、ロイター=共同)

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