自律神経刺激でインスリン増加 マウス糖尿病改善、東北大

東北大

 糖尿病の状態にしたマウスの膵臓につながる自律神経を刺激することで、血糖値を下げるインスリン分泌量が増えて症状が改善したと、東北大のチームが10日付の英科学誌に発表した。体内で唯一インスリンを作る膵臓の「ベータ細胞」が刺激で増殖したという。チームは人への応用法を開発したいとしている。

 実験は、近赤外線を当てると「迷走神経」という自律神経が刺激されるようにマウスの遺伝子を改変。近赤外線を断続的に当て続けると、照射を受けていないマウスと比べ、ベータ細胞量が多くなり、血糖値の上昇が抑えられた。餌を食べた状態を再現するためブドウ糖を投与すると、血中インスリンの数値は最大で約2倍になった。

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