【MLB】ブライス・ハーパーが一塁コンバートへ

写真:Dバックスとのポストシーズンでチームを鼓舞するハーパー

ブライス・ハーパーといえば外野手。そんなイメージはもはや過去のものになりつつあるのかもしれない。フィリーズのデーブ・ドンブロウスキー球団社長が日本時間11月9日のGMミーティングで記者からの質問に回答。その中で、ハーパーを来季以降一塁手として起用すると明言した。MLB公式のフィリーズ番記者であるトッド・ゾレッキら複数の関係者が報じた。

ハーパーは2022年オフにトミー・ジョン手術を受けたのち、今年5月に指名打者としてチームに復帰。その後7月には一塁手として初めて試合に出場したが、肘への負担を考慮しシーズンを通して基本的には指名打者として出場していた。ただ、プレーオフでは主に一塁手として出場し好守を連発。守備面で問題ないことをアピールしていた。

ドンブロウスキーは回答の中でハーパーと一塁転向について話し合ったことに言及。ハーパーは外野手でも一塁手でも、チームが望むポジションを喜んでやると話していた、と語ったという。また、ハーパーの一塁転向を考えれば考えるほど良いプランだと感じるようになった、とも語っていたようだ。

確かに現状のフィリーズのロースターを見ると、ハーパーの一塁転向は理にかなっている。ポストシーズンでチームは一塁にハーパーを置き、ブランドン・マーシュを左翼、ヨハン・ロハスを中堅で起用。守備に難があるカイル・シュワーバーを指名打者に回した。

この布陣を敷く最大のメリットはなんといっても守備力の向上だ。スタットキャストを用いた守備指標・OAAによれば今季のシュワーバーの守備貢献は-19。リーグ平均と比較して、19点分の損失を計上した。右翼のニック・カステヤノスとあわせて大きな課題となっていた守備難に大幅改善が見られる可能性が高いのは朗報だ。

加えて2022年まで正一塁手を務めたリース・ホスキンスはすでにFAとなっているため、来季の一塁手は完全に不在だ。守備改善だけでなく、主力のFAにも対応できると考えれば一石二鳥。ドンブロウスキーが「考えれば考えるほど良い案だ」と話したのもうなずける。

今季のポストシーズンではあと一歩のところで二年連続のワールドシリーズ進出を逃したフィリーズ。しかしチームは着々と戦力の整理を進めている。来季こそ悲願のワールドシリーズ制覇なるだろうか。

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