茨城県施設方針巡り応酬 調特委員長「抗議」 知事は「事実誤認」

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県有施設の民間譲渡方針を巡り、県議会側と県側の応酬となった。県施設の在り方などを検証する8日の県議会調査特別委員会で田山東湖委員長は「唐突で拙速。県議会の危機感を理解していない」と抗議。翌9日の記者会見で大井川和彦知事は「指摘は事実誤認」と反論した。

県が示す鹿島セントラルホテル(神栖市)などの売却方針を巡り、特別委で田山委員長は「地元や議会に丁寧に説明し、理解を得るという段階を踏むべき」と批判した。

県議会は8月、特別委を設置し、売却方針などについての説明を県に求めた。こうした動きに大井川知事は9月の記者会見で「唐突に何か言われている印象」と評しており、この発言に抗議した格好となった。

臨時会で調査特別委を設置するのは約60年ぶりとなった点に触れ、田山委員長は「調査特別委を設置するほど、県議会は危機感を抱いている」と指摘。「厳重に抗議し、猛省を促す」と述べた。

大井川知事は9日の記者会見で、これまでの県の対応について「過去の調査特別委員会での指摘を踏まえた。議会や地元には手続きを踏んで説明してきたつもり」と反論。同時に、県議会側には「今後、しっかりと擦り合わせさせていただきたいと伝えた」とも語った。

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