「辺野古移設が唯一の解決策」木原防衛相、従来の認識繰り返す 普天間の維持に肯定的な米軍幹部の発言を受け

 【東京】木原稔防衛相は10日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、在沖米軍幹部が普天間飛行場の機能維持に肯定的な発言をしたことに対し、「(新基地建設が)普天間の固定化を避ける唯一の解決策で、米側と累次にわたり確認している」との認識を改めて示した。

 木原氏は10月にオースティン米国防長官と会談した際も「米軍再編計画について、着実な進展のために引き続き緊密に協力していくと確認した」と説明。

 「普天間の1日も早い全面返還を実現し、基地負担の軽減を図るために全力で取り組む考えは変わらない」と強調した。

 県内外の報道各社を対象に在沖米四軍が合同で開いたメディアワークショップで、在沖米軍幹部が7日、通訳を介して記者団の質問に回答した。

 その際、約2800メートルある滑走路の長さや立地など普天間の有用性を強調。辺野古の新基地が完成後も普天間の機能を維持したいかどうかを問われ、「軍事的な立場だけで言えばイエスだ」と答えた。

 同幹部は、日米両政府による1996年の普天間返還合意を重視する立場だとした上で、中国の軍拡など現状の安全保障環境を踏まえると、海兵隊基地は普天間に置く方が機能性は高いとの見解を表明。政治的な要素を除き、軍事的視点に立って考えた場合だとも強調した。

在沖米軍幹部の発言に対する見解を述べる木原稔防衛相=10日午前、国会内

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