茨城・鹿嶋にグランピング施設 来春プレオープン 「魅力発信の場へ」

鹿嶋市内に建設するグランピング施設の完成イメージ図

プライベートサウナ付帯のトレーラーハウスを活用したグランピング施設の建設が、茨城県立カシマサッカースタジアムに近い同県鹿嶋市宮中で進められている。工事期間は2期に分けられ、来春にプレオープンし、来年8月に正式オープンする予定。建設を企画した業者は「市内の宿泊施設不足を補い、地域の魅力発信の場にしたい」としている。

建設はトレーラーハウスの輸出入・製造・販売などのツキヒホールディングス(本社東京都、木村一希社長)と、鹿行地域の地域活性化に取り組むKX(本社鹿嶋市、小泉文明社長)が手がける。

両社によると、同市にはサッカー・J1鹿島アントラーズの観戦客や鹿島神宮の参拝客らが多く訪れるが、比較的都心から近距離であることから宿泊者が少なく、滞在時間が短いという。これらを少しでも解消し、アントラーズや鹿島神宮以外の魅力を十分にPRするためには魅力的な宿泊施設が必要と考え、グランピング施設を企画した。

建設場所は同スタジアムから徒歩約15分で、広さは約1万平方メートル。市街化調整区域のため、移動が可能なトレーラーハウスを採用した。総工費は約8億円。

宿泊棟は八つで、それぞれにプライベートサウナが付く。収容人数は1棟当たり最大6人。1棟貸しが基本で料金設定は未定。

共用部分もあり、飲食棟、大型サウナ、イベント開催が可能な人工芝広場などが設置される。イベントは地元食材をアピールする朝市など、宿泊者以外の地域住民も楽しめることを想定する。両社の担当者は「地域の良さを全面に出し、体験重視の交流や魅力発信の場にしたい」と説明する。

地域との連携を深めるため、1期分建設に当たっては地元の斉丸不動産、大川運輸、鹿島コムカイ、イケダ管財、青塚電気工事なども参画した。来春までに宿泊棟三つ分と共有部分が完成する。2期分は県内企業を中心に参画事業者を募集しており、来夏までに残り五つの宿泊棟が完成する予定だ。

ツキヒホールディングスの木村社長は「鹿嶋の新名所となる唯一無二の宿泊施設にしたい」と力を込める。

県立カシマサッカースタジアム近くのグランピング施設建設予定地=鹿嶋市宮中

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